2011年 勝ち組テクノロジー ベスト10
今年も注目製品がコケる一方、ヒットにこぎつけるメーカーも
2011年 最大の勝者たち
今年ヒットが期待されたテクノロジー製品を振り返ると、共通するテーマは“失望感”だ。「Android」タブレットのセールスは不発だった。世界最大のPCメーカー、Hewlett-Packard(HP)は、一時的にではあるが、PC事業からの撤退というよからぬ考えを抱いた。「ニンテンドー3DS」は発売からつまずき、値下げを余儀なくされた。ここ数か月においては、巨額の資金調達が話題となった写真共有サービスの「Color」などの失敗がシリコン・バレーのバブルだったのではという話も聞かれる。だが、こうした失敗があった今年でも、成功に結びつけた企業があったのだ。
(Jared Newman/PCWorld米国版)

1.IBM「Watson」
IBMの「Watson」は、文字どおりの勝者だった。クイズ番組「Jeopardy!」で、人間のクイズ王、ケン・ジェニングス氏とブラッド・ラッター氏と3日間対決し、完膚なきまでに叩きのめしたのだ。サーバ10ラックぶんのWatsonは、CPUを2,800基搭載。2台の大型冷却ユニットを備えた専用ルームに格納され、番組司会のアレックス・トレベック氏からの出題に対し、人間の頭脳より速く回答できるようプログラムされている。こうした知識のすべてが、あなたの携帯電話で応用される未来を想像してほしい。

2.Apple「Siri」
Appleの「iPhone 4S」は、必要に応じて改良を加えられる進化的な製品だ。プロセッサはさらに高速になり、カメラはより高性能になる。しかし、Appleはそこに“革命の種”も植えていた。「Siri」は音声による操作を理解し、返事をしてくれるバーチャル・アシスタントだ。AndroidやWindows Phoneも、この領域であとを追っている。Siriは杓子定規な指示に頼らず、自然な言語を解釈するという意味で一歩先をリードしていると言える。ポケットに入る、人工知能に一番近い存在だ。

3.Amazon「Kindle Fire」
Amazonの「Kindle Fire」は予約注文が好調だったというだけで、「iPad」の最も有力な対抗馬となっている。価格は199ドルで、豊富なコンテンツやAndroidアプリが用意されている。ハイテク玩具に500ドル以上費やしたくない人にとっては魅力的なタブレットだ。

4.Microsoft「Xbox 360」と「Kinect」
Microsoftの「Kinect」は、三次元ジェスチャーを検知する「Xbox 360」用のセンサーで、発売されたのは2010年の秋だった。しかし、Kinectは2011年に入って1,000万台の販売を達成し、電子機器の最速販売記録としてギネスブックに認定された。NPD Groupによると、好調なKinectに後押しされたXbox 360は、北米における毎月の販売台数で競合製品を上回っているという。

5.Samsung「Galaxy」
スマートフォンのヒット商品を作れるのは、Appleだけではない。Strategy AnalyticsとIDCによる最近の調査によると、スマートフォンの出荷台数ではSamsungがAppleを上回っている(販売台数ではないものの、目を引く結果だ)。Samsungの主力端末「Galaxy S II」は極薄デザインで、GoogleのAndroidアプリが滑るように動作する。今年のベスト・スマートフォンの1つだ。

6.Apple「iPad 2」
Appleは、より薄く、軽く、高速になった「iPad2」を発売し、初代iPadをまねた第一世代タブレットに取り組む競合他社をパニックに陥れた。ライバル勢がジタバタしている間にiPadの販売台数は2011年10月に4,000万台に達し、Appleはタブレットが一過性のブームでないことを証明した。

7.Lytro「Lytro camera」
スマートフォンが単体のデジタルカメラの生存能力を脅かしている時代、写真に革命をもたらすとして「Lytro」というカメラが注目を集めている。Lytroは細長い箱型をした、いわゆる光照射野カメラだ。撮影したあとからでもピントを合わせられるので、パチリと撮って細かいことはあとで調整すればよい。発売は来年だが、コンシューマー技術の中でもあまりうわさにならないカテゴリに刺激を与えたという意味で、今年の称賛に値するだろう。

8.Microsoft「Windows Phone」
「Windows Phone」がAndroidとiPhoneに追い付けるかどうかは時間がたてばわかることだが、少なくともMicrosoftはすべての面で正しい判断をしている。2010年にソフトウェアを未完成なまま発表したあと、同社は1年間を費やして最新のモバイルOSに必要な要件をすべて追加した。コピー&ペースト機能、サードパーティ・アプリのマルチタスク、HTML 5のサポート、フロントカメラのサポートなどだ。また、Microsoftはハイエンド端末の開発に向けてNokiaに協力を求めた。有力なAndroid端末メーカーともライセンス契約を結んでおり、新たなWindows Phone端末の生産を促進することだろう。これこそMicrosoftが切に求めていた大きな変化だった。

9.Google「Google+」
ついにGoogleがソーシャル・ネットワークを立ち上げたが、惨敗はしていない。「Google+」はたった4か月で4,000万人以上のユーザーを獲得し、ロバート・スコーブル氏(註:著名なブロガー。元Microsoftのエバンジェリストで、企業ブロガーの先駆け)のような技術屋たちのあいだでは称賛の的となっている。このところ活発さに陰りが見られるとの指摘はあるが、少なくともGoogle+には、BuzzやJaiku、Orkut、Waveよりも、Facebookの真のライバルとなる器がある。



















