Windows 7、3つの疑問点を開発責任者に直撃
64ビット版に移行すべき? セキュリティ対策やWindows Updateの新機能は?今年7月後半のRTM(製造工程向けリリース)に向け、着々と開発の進むWindows 7。ここでは、米国MicrosoftでWindows Core Operating System部門の責任者を務め、Windows 7の内部アーキテクチャの開発を統括するジョン・デバーン(Jon DeVaan)上席副社長へのインタビューのもようをお届けする。
※本インタビューは、Windows 7の概要の発表直後である2008年11月に行われたものです。
──64ビット版Windowsへの移行は促すのか
最初に聞いたのは、64ビット版Windowsへの移行についてだ。Windows 7には、64ビット版への移行を促す何らかの機能は盛り込まれるのだろうか。
この問いに対してデバーン氏の答えは、「64ビット版と32ビット版のWindows 7で、Windows Vistaよりも明らかな機能差を設けることは考えていません。将来的に64ビット版が進むべき道なのは明らかですが、どちらを選ぶかはユーザーの選択であり、あるいはメモリの価格など市場の情勢に委ねられています」というものだった。
マーケティング的な部分で64ビット版への移行を促す施策(これはデバーン氏の管轄ではない)を行う可能性はあるものの、OSとしての機能的、性能的な部分で、64ビット版への移行を強要するつもりはないようだ。
──セキュリティソフトは標準搭載するか
このインタビューの当日(2008年11月中旬)、マイクロソフトはコンシューマー向けのセキュリティ事業である「Windows Live OneCare」を2009年6月で終了し、マルウェア対策に目的を絞ったツール(開発コード名“Morro”)を無償で提供していくと発表した(関連記事)。この“Morro”が、Windows 7に最初から組み込まれる可能性はあるのだろうか。
「ウイルス対策ソフトは、われわれWindows Core Operating System部門が担当するものではありません。そういう意味では、マイクロソフトのWindows Live OneCareといえども、サードパーティ製のセキュリティソフトと同じ扱いです。現時点で特定のセキュリティソフトを組み込んだかたちで、Windows 7をリリースする予定はありません」(デバーン氏)。
実は、この時点でデバーン氏は、Live OneCare事業からの撤退を知らなかった。ほかの事業部の発表であることを考えれば不思議ではないが、このことからもセキュリティ事業とOS事業が明確に分離されていることはまちがいない。
EU諸国をはじめ、WindowsにWebブラウザやメディアプレーヤをバンドルすることを違法としている国は少なくない。それを考えても、Live OneCare事業を停止するからといって、最初からWindows 7に無償のアンチウイルスソフトを添付するということにはならないのだろう。
ただ、ウイルスやマルウェアに対して無防備なPCをゼロにするという観点から言えば、Windowsが最初からセキュリティソフトを備えているほうが望ましいことも確かだ。この辺りの判断は難しいところである。
──Windows Updateは今よりもっと“賢く”なるか
Windows 7では、ユーザーの選択に委ねられる部分が大幅に増える。では、推奨設定に従うと、問答無用でPCを再起動されてしまうことのあるWindows Updateについてはどうなのだろうか。ほとんどのユーザーは、外出先などでバッテリや(従量課金で帯域も制限される)携帯電話回線を使っている際に、Service Packのダウンロードを始めたくはないはずだ。
この点について、デバーン氏からは「バッテリ動作中にWindows Updateを実施するかどうかの選択については、設定項目の1つとしてすでに検討しています。設定項目に接続中のネットワークの帯域(回線速度)を加えることについても考えたい」という前向きな答えが返ってきた。Windows Updateが、よりインテリジェントなものになるよう期待したいところだ。



























