Windows PE 完全活用ガイド―[1]PEを使いこなすための基礎知識
システム管理者に使いこなしてほしい“究極”のトラブル解決ツールWindows PEは、Windows OSのインストールを主な目的として提供されている、機能が限定された特別なOS環境だ。だが、Windows OSのインストール以外にも、さまざまな場面で活用することができる。Part1では、Windows PEとは何か、何ができるのかを学ぼう。
Windows 7 Service Pack(SP)1に対応した最新のWindows PE 3.1を解説した「[新]Windows PE 徹底活用バイブル」を公開しました。本記事の更新版になりますので、ぜひご覧ください。
■[新]Windows PE 徹底活用バイブル ― 最新のWindows PE 3.1に完全対応!
[Part1]基礎編 〜Windows PEって何? Windows PE最新情報〜
[Part2]ブータブルメディア作成編 〜独自のPEブータブルメディアを作成するには〜
[Part3]トラブル解決活用編 〜データ救出、HDDの引っ越し、P2Vなどに徹底活用
Windows PEって何? 72時間限定のフリーOS!?
「Windows PE(Windows Preinstallation Environment:Windowsプレインストール環境」は、文字どおり、Windowsオペレーティングシステム(OS)のプレインストール作業を行うための環境、あるいはWindows OSがインストールされる前のコンピュータを操作する環境を提供する特別なOSだ。
マイクロソフトはWindows Vistaのリリースに合わせ、それまではOEMベンダーなどに限定して提供していたWindows PEを一般にも公開した。エンドユーザーは、Windows VistaをインストールするためにWindows PEを利用できるだけでなく、コンピュータの問題、特に正常起動できなくなったコンピュータのトラブルシューティングやデータのサルベージに活用することができる。
Windows PEにはいくつかのバージョンが存在する。最初のバージョン1.0および1.x(2004や2005というバージョンを含む)は、Windows XPやWidows Server 2003をベースとしたWindowsのサブセットで、プレインストールPCを準備する必要があるOEMベンダーなどに限定的に提供されていた。
そして、Windows Vistaのリリースに合わせ、Windows Vistaのセットアップのベースにもなっている「Windows PE 2.0」が一般ユーザーにも提供されるようになった。現在は「Windows自動インストールキット」(以下、WAIK)の一部としてWindows PEを入手、利用することができる。
最新バージョンは、WAIK 1.1に含まれるWindows PE 2.1で、これはWindows Vista Service Pack(SP)1およびWindows Server 2003がベースになっている。なお、Windows7対応のWAIK 2.0には、Windows PE 3.0が含まれる予定だ。
■Windows PEのメリット
Windows PEはサイズが小さく、CD/DVDメディアやUSBメモリ、ネットワーク(PXEブート)から起動することが可能だ。Windows PEはRAMディスク(メモリ領域の一部)上にロードされるので、ディスクの準備が整っていないコンピュータも起動できる。Windows PEで起動したコンピュータでは、コマンドプロンプトを使用して、ディスク構成などのインストール準備作業を行うことが可能だ。
Windows PEは、FATやFAT32、exFAT、NTFSなどの各種のディスク操作、USBデバイスのプラグ&プレイ、ドライバの追加インストール、IPベースの基本的なネットワーク機能、Windowsファイル共有クライアント機能などを備える(画面1)。
そのため、起動不能になったコンピュータのトラブルシューティングツールとしても非常に役立つ。NTFSにアクセスできない従来のMS-DOSベースの起動ディスクや、セキュリティ上の制約が多いWindows 2000/XP/Server 2003の「回復コンソール」に比べれば“万能ツール”と言えるだろう。
実は、Windows VistaやWindows Server 2008のインストールDVDから起動可能な「システム回復環境」はWindows PEがベースで、Windows PEにシステム回復環境のパッケージ(WinPE-SRT-Package)を乗せたものだ(画面2、3)。
■Windows PEの制約
Windows PE 2.1には、x86版、x64(AMD 64)版、およびIA-64(Itanium)版が用意されており、これらのアーキテクチャのコンピュータを起動できる。x64コンピュータは、x86版のWindows PEで起動することも可能だ。
Windows PEを起動するには、最低でも256MBの物理メモリが必要になる。Windows PEは物理メモリの一部をRAMディスクとして使用し、そこにシステムファイルをロードする。このRAMディスクのサイズが160MB前後で、これにWindows PEが実メモリとして必要とする100MBを加えたものが「256MB」の理由だ。
このほか、サイズを小さく抑えたり、汎用OSとして海賊版の作成に悪用されたりしないように、表1のような制約がある。





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