2015年、Windows PhoneがiOSを抜いてスマートフォンOSシェア第2位に
スマートフォン出荷台数は2011年が4億7,200万台、2015年はほぼ10億台世界のスマートフォンOS市場では今後数年間、フィンランドNokiaの後押しを受けて米国Microsoftの「Windows Phone」がシェアを伸ばし、米国AppleのiPhoneに搭載される「iOS」を最終的に追い抜く。だが、米国Googleの「Android」は一貫して首位を堅持する――米国のIT調査会社であるIDCは6月9日に発表した調査報告「Worldwide Quarterly Mobile Phone Tracker」で、このような見通しを示した。
2015年のスマートフォンOS市場は、Androidが43.8%のシェアで首位を占め、Windows Phoneが20.3%、iOSが16.9%で続くとIDCでは予想している。そうなれば、Windows Phoneは大きく躍進することになる。IDCの予想では、同OSの2011年のシェアは3.8%にとどまるとされている。
IDCによると、2011年はAndroidが38.9%のシェアで首位、Nokiaの「Symbian」が20.6%で2位、iOSが18.2%で3位になる見通しだという。しかし、NokiaはSymbianに見切りをつけており、Symbianの市場シェアは主にNokiaがこれまで強みを発揮してきた米国外の市場でのプレゼンスによるものだ。IDCは調査報告で、「NokiaはSymbian端末を、2016年までサポートすると表明している」と述べている。
Nokiaは今年2月、「将来のスマートフォンの主要OSとしてWindows Phoneを採用する」という大胆な方針転換を発表した。このことがIDCの予想の根拠の1つとなっているが、IDCはNokiaのWindows Phone端末事業が順調に成長することを予想の前提としている。
しかし、このところNokiaは不調にあえいでおり、最近も売上高予想を下方修正して株価が急落した。同社のWindows Phone端末事業が順調に進む保証はない。ただし、Nokiaの後押しだけでなく、年内に予定されている次期Windows Phoneプラットフォーム「Mango」のリリースも、Windows Phoneの普及が拡大するというIDCの予想の根拠となっている。
IDCは、スマートフォンの世界出荷台数については、2011年は4億7,200万台に達し、2015年にはその2倍以上の10億台近くまで増加すると予想している。同社はその背景として、市場の拡大に加え、端末価格の低下と、通信事業者による安価なデータ・プランの提供をあげている。また、IDCは、現在の携帯電話市場で主流を占める「フィーチャー・フォン(いわゆるガラケー)」は、出荷台数が減少すると予想している。
2015年のスマートフォンOS市場に関するIDCの予想は、1980年代半ばにおけるPC市場の草創期をほうふつさせる。当時のPC市場では、Appleが革新的技術を開拓して大きな市場シェアを獲得したものの、ライセンスしやすい同一のOS、つまりMS-DOSを搭載したPC-AT互換機に押されて失速していった。
スマートフォンOS市場における違いは、Androidが当時のMS-DOSの役割を担っていることと、IDCの予想では、Microsoftの追い上げが主に1社のハードウェア・ベンダー(Nokia)頼みであることだ。
IDCの予想どおりWindows Phoneが高シェアを獲得すれば、Microsoftにとってはモバイル分野で初の成功となる。同社は1990年代以来、この分野に多額の投資を行ってきたが、他の分野で達成してきたようなROI(投資収益率)はまったく実現できていない。スマートフォン市場が成長しているにもかかわらず、Microsoftのシェアは下降している。
一方、IDCの予想で考慮されていないファクターもある。それは、Googleが抱えているAndroidソフトウェア特許を巡る法的係争だ。これらの係争が同OSの成長の足を引っ張ったり、メーカーに同OSの採用に二の足を踏ませる可能性がないわけではない。
また、AppleがiPhoneのラインアップを広げ、それがiOSの大幅なシェア拡大につながる可能性もある。AppleはiPodのオリジナル・モデルのリリース後、同製品のモデルを増やし、現在はiPod touch、iPod shuffle、iPod nano、iPod classicをラインアップしている。同社がiPhoneでもそうした製品展開を行う可能性は十分ある。例えば、Appleが「iPhone nano」を投入するのではないかとのうわさがよく聞かれる。それによると、iPhone nanoは、現行iPhoneより小さいほか、コストに敏感な人をターゲットとする製品とされる。
(Keir Thomas/PC World米国版)





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