企業はクラウド・ストレージ利用にまだ消極的
「Storage-as-a-Serviceの成熟は数年後、焦りは禁物」とアナリストクラウド・コンピューティングが盛んにもてはやされているが、現実には、データをクラウド・プラットフォームで保管しようとしている企業はきわめて少ないようだ。米国Forrester Researchの最新の調査リポートでは、クラウド・ストレージの普及に疑問を投げかけるような調査結果が報告されている。
北米と欧州の大企業および中小企業のIT意思決定者1,272人に対する調査結果をまとめたリポート「Business Users Are Not Ready For Cloud Storage」によると、クラウド・ストレージを運用している企業は3%にすぎず、大半の企業ではデータをクラウドに置く計画はないという。
Forresterのアナリスト、アンドルー・ライクマン(Andrew Reichman)氏は同リポートのなかで、ストレージ・ベンダーとIT担当者はこの1年、クラウドに関する議論に多大な時間を費やしていると指摘する。データ・ストレージ・ニーズが少なくとも年間30%のペースで増加している一方、予算が横ばいの傾向にあるからだ。
しかしながらライクマン氏は、これまでのところ「こうした議論は議論されるだけにとどまっている」と述べている。
「地域や企業規模にかかわらず、回答者は、今すぐにデータをクラウドへ移行することにはほとんど関心がないようだ。Storage-as-a-Serviceは、長期的に見れば将来性はあるものの、サービス・レベル保証(SLA)、セキュリティ、保管状況の監視、テナント間の隔離、長期的なコストといった要素が、導入に対する大きな障害になっていると見ている。Storage-as-a-Serviceがしっかりと軌道に乗るには、こうした課題が解決されなければならない」(ライクマン氏)
Forresterは同調査でIT意思決定者に、Amazonの「S3」、 EMCの「Atmos」、Nirvanix、The Planet、AT&Tなどのクラウド・ストレージ・サービスを導入する計画があるかどうかを尋ねた。
回答者の43%は「クラウド・ストレージに関心がない」と答え、別の43%は「関心はあるが、導入計画はない」と答えた。クラウド・ストレージを「今後12カ月以内に導入する計画がある」回答者は3%、それ以降に導入を計画している回答者は5%にとどまっている。
回答者の3%はすでにクラウド・ストレージを導入しているが、既存のクラウド・ストレージを拡張しようとしている回答者は1%にすぎない。
全般に、大企業のほうが中小企業よりもクラウド・ストレージへの関心が若干高く、汎用的なクラウド・ストレージよりもバックアップ用クラウド・ストレージへの関心のほうが高い。ライクマン氏によると、Asigra、EMCの「Mozy」、Seagateの「i365」、IBMの「Business Continuity and Resilience Services」、Iron Mountainなど、市場では成熟したバックアップ・サービスが多数提供されている。
「Backup-as-a-Serviceが高い関心を呼び、導入も進んでいる理由は何か。第1に、単にCPUリソースやストレージ容量を提供するものではなく、完全なサービス・パッケージとして提供されていること。高機能なバックアップ・ソフトウェアとストレージ容量が、完全なマネージド・サービスとして提供されるわけだ。第2に、とても具体的な課題を解決するものであること。その課題とは、コストがかさみ、トラブルも発生しやすいが、必要不可欠といえるIT機能を適切な管理下に置くことである。この点は、ユーザー自身で活用方法を決めなければならない汎用的なStorage-as-a-Serviceとは対照的だ」(ライクマン氏)
全般的に見て、Storage-as-a-Serviceの発展にはまだ時間がかかると、ライクマン氏は述べている。企業はStorage-as-a-Serviceを採用する前に、クラウド・ストレージと既存のアプリケーションやプロセスをどのように統合するかを考え、少なくとも3年のスパンで総コストを分析しなければならない。
「Storage-as-a-Serviceは注目度が高いが、企業による導入のペースが全体的に遅いことを考えると、様子を見るのが理にかなっている。このサービスが成熟するのは数年後だろう。急いで飛びつくのは禁物だ」(ライクマン氏)
(Jon Brodkin/Network World米国版)



























