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【解説】

ビッグ・データ活用に向けた5つの準備

“データの収集から連携へ”を実現し、ビジネスを変えるために
(2011年11月11日)

 「ビッグ・データの活用」が大きなビジネス課題となりつつある。貴社の役員がIT部門のあなたに、「ビッグ・データについての見解を聞かせてほしい」と言ってくるのは時間の問題だ。では、そこであなたは何を語るべきなのか。

 皆さんの会社ではもう“ビッグ・データ”の活用に取り組んでいるだろうか。もしまだなら、今後その取り組みを行うことを前提として準備に取りかかるべきだろう。

 ビッグ・データは、将来に向けて重要な戦略的ビジネス資産としてもてはやされている(もっとも「誇大宣伝されている」と見る向きもある)。貴社の役員がIT部門のあなたに、ビッグ・データについての見解を聞かせてほしいと言ってくるのは時間の問題だ。

 では、そこであなたは何を話すべきなのか。

 実際のところ、どんなIT部門でも「大量のデータ処理」そのものは経験したことがあるはずだ。これは、従来DWH(データウェアハウス)やデータ・マイニング、BI(ビジネス・インテリジェンス)分析などと呼ばれてきた領域である。だが、アナリストたちは、ビッグ・データはそれらとはまったく別物だと言う。

 現在、データはかつてないスピードで生成されるようになっており、その種類もこれまでになく多様化している。さらに、これらのデータの大半が構造化されていない“生”のデータ(Raw Data、別名Gray Data)である。

 非構造化データの代表例としては、ブログやSNSから発信されたユーザーのコメント、機械に取り付けられたセンサーから自動取得されるデータ、GPSに基づく位置情報などが挙げられる。これまでほとんど無視されてきたこうしたデータを、企業が迅速に取得、管理、分析することにより、これまで気づかなかった事実や、事象に潜在するパターンなどを発見するのに役立てることができる。

 「我々は長年にわたってデータを収集してきたが、そのデータが生み出した価値はごく限られている。大量のデータを生成したものの、誰も有効活用できなかったのだ」と語るのは、米国の大手SIベンダー、CSC(Computer Sciences Corp.)のリーディング・エッジ・フォーラム、テクノロジー・プログラム担当ディレクター、ポール・ガスタフソン(Paul Gustafson)氏だ。

 「データはアーカイブされ、ビジネス・プロセスに基づいてモデル化されていたが、広範な分野にまたがる全社的なコア・ナレッジ・セットとしてはモデル化されていなかった。この新たなモデル化の狙いは、個々のデータをさまざまな新しい観点から組み合わせ、新たな価値創出の可能性を探ることにある。つまり、『収集から連携へ(collecting to connecting)』というデータ活用の発展がテーマなのだ」(ガスタフソン氏)

 例えば、米国のコンサルティング会社、McKinsey & Companyの研究部門であるMcKinsey Global Instituteが今年(2011年)5月に発表したビッグ・データに関するレポートによると、米国の医療業界は医療ケアの質、治療成功率、患者履歴に関連するデータを活用することで、効率や生産性を向上させることが可能であり、そこから創出される価値は年間3,000億ドル以上に達する可能性もあるという。さらに同レポートは、ビッグ・データは平均的な小売り業者の営業利益を60%以上押し上げる可能性を秘めているとも指摘している。

 業界専門家は、こうした“データ革命”の最前線に立つのがITであり、IT部門だと説明する。

 「(ITマネジャーは)CEOのオフィスに出向いて、『ビジネスを変えてみせます。5年前には不可能だった低コストで、欲しい知識がほんの数秒で手に入るような環境を提供できます』と提案するチャンスだ」と、米国Catalina MarketingのCIO、エリック・ウィリアムズ(Eric Williams)氏は語る。小売り業向けのターゲット・マーケティング事業者であるCatalinaは、レジで購入履歴に基づくクーポンを発行するサービスを提供している。

 ウィリアムズ氏の言葉は経験に裏打ちされている。Catalinaでは、顧客ロイヤルティに関する2.5ペタバイト(PB)ものデータベースを維持管理している。ここには米国最大級の小売りチェーンが収集した、米国の1億9,000万人分以上の食料雑貨購入に関するデータが記録されており、前述のクーポン発行サービスに利用されている。

 ウィリアムズ氏をはじめとする業界専門家たちは、企業を“リアルタイム予測型インテリジェンス”の時代に移行させる必要があると考えている。そのために、ITマネジャーはテラバイト(TB)、PBクラスのデータ・ストアを用いた高度な分析を支えうるエンタープライズ情報管理アーキテクチャと、企業文化を進化させていかなければならないというのが彼らの主張だ。

 「IT部門は、ビジネス部門と密接に連携する方法を見つけたいといつも言っている。ビッグ・データへの取り組みは、まさに密接な連携を実現する格好のチャンスだ」(ウィリアムズ氏)

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