PC管理はエンドユーザー自身で――「マイPC・セルフ管理」の時代
IT運用管理の新アプローチがもたらすメリットとリスクIT部門が管理する従来型のPC管理モデルを見直し、従業員みずからがPCを管理する「セルフ管理モデル」の導入機運が徐々に高まっている。すでに米国Googleがこのモデルを導入しているほか、英国の石油大手BPも試験運用を開始している。なぜ今、自社のPC管理モデルを企業は見直し始めているのか――。本稿では、その背景やそのメリットを解説していく。もちろん、セルフ管理だからといってIT部門がPCを管理しなくてよいというわけではないし、それなりのリスクもある。それでもなお、このモデルを導入する企業の考えを知り、自社のPC管理モデルがベストかどうかを再点検していただきたい。
Tom Sullivan
InfoWorld米国版
セルフ管理モデルに価値を見いだす企業が続々と
「ユーザーが使用するPCはユーザー自身が選び、管理すべきである」
これは、まともなCTOであれば直ちに却下してしまうような過激な意見に聞こえるかもしれない。だが、ちょっと待っていただきたい。「IT部門は、ユーザーが使用するPCやモバイル・デバイスを指定すべきではないし、場合によっては管理すべきでもない」という考え方は、一部の企業が実際に採用している、あるいは検討しているポリシーである。
検索最大手の米国Googleは、「choice, not control」(束縛せず、選択肢を与えよ)というポリシーの下、社内ツールを介して提示する選択肢の中から、使用するハードウェアとアプリケーションをユーザー自身に選ばせている。また、英国の石油会社大手BP(画面1)も同様の施策を試験的に実施しており、みずからが使用するPCおよびモバイル・デバイスを選択、購入するための予算をユーザーに与えている。
このWeb 2.0的なセルフサービス・アプローチの下では、従業員は自身が使うPCに対してすべての責任を負うことになる。つまり、業務の最適化を図るのに必要なハードウェア/ソフトウェアの選択とその設定、管理、さらにはサポートに至るまでを従業員みずからが行うのである。
こうしたPCのセルフ管理モデルに価値を見いだしているのは、GoogleとBPだけではない。
「これこそ、長い間探し求めていた“答え”だと言える」と話すのは、米国メイン州の情報技術局でシステム部長を務めるグレン・エンジェル(Glenn Angell)氏だ。メイン州では、何らかの規則を設けてPCのセルフ管理を実施しているわけではないが、同氏は自分が閲覧できる形式でデータを渡してくれるのであれば、職員たちがオフィス・スイートに何を使おうと、どのアプリケーションで図表やグラフを作成しようと、まったくかまわないと述べている。
米国の某大手地方銀行でマネジメント・リポーティング担当バイスプレジデントを務めるリチャード・レズニック(Richard Resnick)氏も、次のように語っている。「IT部門はユーザーを制限するポリシーを何かと策定しようとするが、多くの場合それらは、『重要なデータの取り扱いをユーザーにゆだねることなどできない』というまちがった信念に基づいて行われている。だが実際のところ、ユーザーを縛るようなポリシーは必ずしも必要ではない。(プロフェッショナルである)従業員に、データ処理に必要なデバイスに対して責任を持たせれば、企業は時間と予算の両方を節約できるのだから」(次ページに続く)
























