FBI、サイバー犯罪捜査官をエストニア、ウクライナ、オランダに派遣
これらの国は、今やロシアを上回る危険地域との声も米国連邦捜査局(FBI)はサイバー犯罪捜査の強化をねらい、エストニア、ウクライナ、オランダの捜査当局に職員を派遣し始めた。
ここ数カ月の間に、派遣された職員は捜査が困難な国際的サイバー犯罪の解明に向けて、現地警察との密接な協力を開始したと、FBIサイバー部門の責任者、ジェフリー・トロイ(Jeffrey Troy)氏は、米国・サンフランシスコで開催中の「RSA Conference 2010」で取材に対して語った。事実上、すべてのサイバー犯罪が国境をまたいで行われるため、こうした協力はきわめて重要な意味を持つと、犯罪捜査の専門家は指摘する。
職員の派遣は2006年に開始され、100人近くの逮捕につながったルーマニアでの捜査の成功を契機に開始されたとのこと。「われわれは、ほかの地域でも同じ手法を展開できると考えた」と、FBIでサイバー犯罪捜査を統括するトロイ氏は述べている。
FBIは以前から外国の警察に職員を派遣している。1980年代には、米国の職員がイタリアの捜査当局と協力し、両国にまたがる組織犯罪を解決した。「職員の派遣は新しいことではないが、サイバー犯罪に関しては行われていなかった」(トロイ氏)。
トロイ氏は、派遣された職員がどの事件の捜査に当たっているかは明らかにしなかったが、「これらの国が派遣先に選ばれたのには理由がある」と語った。
同氏によると、現在、エストニア、ウクライナ、オランダにそれぞれ一人が派遣されており、一人がルーマニアにとどまっているという。
セキュリティ専門家によると、ウクライナは多数のオンライン詐欺の実行拠点や、銀行口座をハッキングして預金を盗むのに使われる「Zeus Trojan」のようなマルウェアの作成拠点になっているとのことだ。
Trend Microの研究員、ポール・ファーガソン(Paul Ferguson)氏は「ウクライナから大きな問題が発生している」と述べ、「今やロシアを上回る危険地域だと思う」と付け加えた。
これまで、ウクライナ捜査当局の協力を確保するのは難しかったようだ。現在、FBIが職員を送り込んでいることについては、「明るいニュースだ。実のある協力の実現を期待している」(同氏)。
ファーガソン氏は、FBIがエストニアに職員を派遣した理由についてはコメントしなかった。しかし、Trend Microでは、2009年7月にコンピュータがウイルスに感染しているという虚偽のメッセージをWebユーザーに180万回表示し、偽のウイルス対策ソフトウェアをインストールさせようとしたのは、エストニアのある企業だとにらんでいる。
FBIは米国内において、技術に詳しい職員で構成された“ボットネット専門家グループ”を立ち上げている。トロイ氏の説明によると、このグループはFBIの地方捜査チームによるボットネット関連事件の捜査協力が中心とのこと。こうしたグループ立ち上げの背景には、ボットネットに感染したコンピュータを使い、個人の銀行情報を盗んで被害者の預金を外国に送金する犯罪者がかつてなく増えていることがあげられる。
トロイ氏はボットネットを“重大な脅威”と呼び、「膨大な数のボットネットが存在している」と付け加えた。
(Robert McMillan/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)
























