“人”と“情報”が中心のITへ――シマンテックが示す将来ビジョン
デバイスやインフラに依存しないITの実現に向けた施策を披露シマンテックは12月1日、プライベート・コンファレンス「Symantec Vision 2010 Tokyo」を開催し、“TAKE CONTROL 〜「情報と人」中心のITへ〜”というテーマの下に、同社が描くITの将来像とその実現に向けた取り組みを披露した。
国内で同コンファレンスが開催されるのは今年で9回目。今回のテーマには、デバイスとITインフラを中心とした現在のITが、将来は「人」と「情報」を中心としたITに移行していくという、同社のビジョンが示されている。基調講演を行った米国SymantecのCEO、エンリケ・T・セーラム(Enrique T. Salem)氏も、このビジョンの下に話を進めた。
講演の冒頭でセーラム氏は、将来のITに影響を与えるキー・トレンドとして、“コンシューマ化”という現象を挙げた。「今日の企業は、コンシューマ市場で人気の出たサービスやテクノロジーを取り込み、そのメリットをビジネスに生かそうとしている」(同氏)
また、人々の生活のあらゆるシーンでITが活用されるようになったことや、そのなかでモバイル端末の利用が急速に進んでいることも重要なトレンドだと指摘した。このほか同氏は、ソーシャル・メディアを活用したコラボレーション、仮想化の適用範囲の広がり、クラウドの利用拡大、データの爆発的増加、セキュリティ脅威のさらなる多様化といったこともキー・トレンドに挙げた。
これらのトレンドを受けて、「ITは今後、どう変わっていくのか。中心となるのは“人”と“情報”だ。デバイスやITインフラに依存せずに、人々が情報にアクセスできるようになる」とセーラム氏は語り、シマンテックがその実現に向けた取り組みを着実に進めていると強調した。
同社は2010年4月、暗号化技術ベンダーのPGPとエンドポイント・セキュリティ・ベンダーのGuardianEdge Technologiesを買収、続いて5月には米国VeriSignの個人認証および電子証明書ビジネスを買収した。これらの一連の買収も、そうした取り組みを補完するものだ。
「人と情報を中心とするITを実現するには個人認証は不可欠な技術であり、モバイル端末などのデバイスの保護には暗号化が必須だ。そして情報の保護は、もともとシマンテックが得意としている分野である」とセーラム氏。同社は、これらのテクノロジーを組み合わせて人と情報を中心としたITの実現を支援していくという。
セーラム氏に続き、シマンテック代表取締役社長の河村浩明氏が登壇し、「クラウド時代に求められるセキュリティとIT管理」というテーマで講演を行った。同氏は、深刻化するサイバー攻撃の現状について、次のように語った。
「現在、サイバー攻撃の取引では、麻薬の取引より大きな金額が動いている。また、最近は産業システムをねらったW32.Stuxnetが登場した。これは、USBメモリーを使った感染で、原書力発電所の遠心分離機をコントロールしようとしたものであり、サイバー攻撃がより深刻化していることを象徴している」
また、今日のIT環境は、クラウド化で運用管理が変化するとともに、コンシューマ化の流れの中でソーシャル・メディアなどの活用も広がっている。「セキュリティの確保という観点から見ると、こうした動きは、みずから傷口を広げるようなもの」と河村氏。この状況に対応するために同社は、情報セキュリティ・プラットフォームをさらに進化させようとしている。
「最近は、特に個人認証への期待が高まっている。また、セキュリティ対策のワークフローを確立することが必要とされている。これは、問題発生時の対応を一連のワークフローとすることだ。このために当社は、製品の提供だけではなく、顧客と相談してワークフローを構築していくことが重要だと考えている」(河村氏)
一方、サービス・プロバイダーのクラウド事業を支援することも、シマンテックが注力する領域だという。「シマンテックもクラウド・サービスを提供している。そのなかでセキュリティ、データ管理、ストレージ管理といった当社が培ってきたノウハウを活用している」(河村氏)
同社はクラウド・サービスの提供に際し、世界14のデータセンターをクラスタ化して24時間稼働させることで、各データセンターのワークロードを均質化している。また、それらのデータセンターにおいては、ストレージの使用率が72%と非常に高い水準を維持している。シマンテックは、こうした経験で得られた知見を含めて、クラウド・サービス・プロバイダーの事業の成功を支援していくという。
(Computerworld.jp)



























