アドウェア企業ザンゴ、米連邦取引委員会と和解
アドウェア企業の米国ザンゴが米国連邦取引委員会(FTC)と和解し、「不正な手段で得た」300万ドルの利益を返還することになった。同社は、ポップアップ広告を勝手に表示するソフトウェアを詐欺的な方法で膨大なユーザーにダウンロードさせたとしてFTCに提訴されていた。
和解は11月3日に発表された。FTCは、和解に基づき、ザンゴ(旧社名180ソリューションズ)はユーザーの許可なくコンピュータにソフトウェアをインストールする行為を禁じられたと述べている。またザンゴは、ユーザーが同社のアドウェアを削除するための手段を用意しなければならない。FTCは同社CEOのキース・スミス氏と社長のダニエル・トッド氏も提訴していた。
FTCの消費者保護局長リディア・パーネス氏は、「消費者には、望まないコンテンツを受け取らずに済む権利がある。彼らがポップアップ広告を表示させてもよいと考えるなら、それはそれでかまわない。だが、コンピュータの使用を妨げるポップアップ広告を消費者に無断で送りつけるソフトウェアを秘密裏にインストールする行為は、連邦法に違反している」と声明の中で述べた。
一方、ザンゴが3日に発表した声明には、このたびの和解はソフトウェアのダウンロードに関する基準を確立し、「消費者保護を新たなレベルに高める」ものだと記されている。その一方でザンゴは、今回の和解条件の内容は2006年1月1日から満たしてきたとしている。
ザンゴは、FTCとの和解条件の順守状況の監視役として外部監査人を雇用している。
ザンゴのスミス氏は声明で、創業当時、「消費者への事前通知および意思確認に関するわれわれのポリシーの実施を、アフィリエイトに任せきりにしたことが失敗を招いた」と述べた。また、FTCの提訴により「ベスト・プラクティスが明確化された」ことは、ダウンロード・コンテンツの提供事業にとって歓迎すべき前進だとしている。
「われわれは過去の好ましくない行為について深い反省と謝罪を表明する」(スミス氏)
今年1月にFTCにザンゴを訴えた市民権擁護・消費者団体「Center for Democracy and Technology(CDT)」も、今回の和解を高く評価している。
CDTの事務次長アリ・シュワルツ氏は、「歴史的な和解と言える。インターネット・ユーザーの意向を一顧だにせず、彼らを食い物にして利益を上げている企業に重大なメッセージを突きつけるものだ」と述べた。
ザンゴは多くの場合、サードパーティ業者を通じて消費者のコンピュータにアドウェアをインストールしていたと、FTCは説明している。同社のアドウェアは、ユーザーのインターネット利用状況を監視し、その情報を基にポップアップ広告を表示する。
FTCによれば、ザンゴのアドウェアが米国消費者のコンピュータにインストールされた回数は7,000万回を超え、69億個に及ぶポップアップ広告が表示されたという。
ザンゴのソフトウェアを配布していたサードパーティ業者は、アドウェアを含んでいることは伏せたまま、スクリーン・セーバやP2Pファイル共有ソフト、ゲームなどの無料ソフトウェアをユーザーを提供していた。
さらに一部の配布業者は、Webブラウザのセキュリティ脆弱性を悪用してアドウェアをインストールしていた。これらの結果、何百万という消費者が、インターネット利用状況を知らぬ間に監視されるという事態に至ったとFTCは説明している。
FTCは、インストールされたアドウェアの検出や削除を故意に妨害したとして、ザンゴを非難している。ザンゴはアドウェアのファイルに重要なシステム・ソフトウェアのファイルと酷似した名前を付け、実際にはアドウェアをアンインストールしないツールをアンインストール・ツールと称して提供し、ユーザーがアドウェアの削除を試みた場合でも、再インストールを行うコードをコンピュータに組み込んだと、FTCは述べている。
(グラント・グロス/IDG News Service ワシントン支局)
























