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グーグル、企業向け「Google Apps」のセキュリティ/コンプライアンス機能を強化

買収したポスティーニの技術を統合し、大規模企業ユーザーの獲得をねらう
(2007年10月04日)

 米国グーグルは10月3日、企業向けホスティング型アプリケーション・スイートの「Google Apps Premier Edition」に、セキュリティ機能とコンプライアンス(企業ポリシー)管理機能を追加したと発表した。同社は今年第3四半期に、電子メール・セキュリティ・ベンダーの米国ポスティーニを買収しており、ポスティーニの技術を同スイートに統合した格好だ。

 「Google Apps」は、電子メールの「Gmail」、IM(インスタント・メッセージ)の「Talk」、オフィス・スイートの「Docs」、Webページ作成ツールの「Page Creator」などを、SaaS(Software as a Service)モデルで提供するサービスである。

 Google Apps Premier Editionは99.9%の稼働率を保証し、1ユーザー当たりの利用料が年間50ドルで電話サポートも受けられるため、自社にIT部門がない中小規模企業を中心に、ユーザーを増やしている。

 今回追加されたのは、ポスティーニの電子メール・ウイルス/スパム・フィルタリング機能と、企業コンプライアンスを支援するアーカイブ・サービスである。

 グーグルでエンタープライズ・グループ製品担当部長を務めるマシュー・グロッツバック氏は、電子メール・ウイルス/スパム・フィルタリング機能を利用すれば、送信される全メッセージに対し、管理者がフッタを追加することが可能だと説明する。

 また、特定の製品や競合企業、従業員名などが書かれている文章や、機密性の高い財務データなどの書類が添付されている送信メッセージをフィルタリングし、外部への情報漏洩を防止することもできるという。

 グロッツバック氏は同機能について、「IT管理者がコンテンツ・ポリシーを決定し、柔軟に管理できる。ポスティーニのサービスは、Google Appsと同じSaaSモデルを採用しており、双方の相性はよい」と説明している。

 なお、Gmailの1人当たりのストレージ容量も、10GBから25GBに増やされた。ただし、価格は従来同様、1ユーザー当たり年間50ドルに据え置かれている。

 一方、企業コンプライアンスを支援するアーカイブ・サービスは、独立したサービスとして有料で提供される。

 現在Google Apps Premier Editionのユーザーは、データ復元機能を使用して、過去90日間に送受信した全メッセージを閲覧できる。しかし、ビジネスによっては、法的基準を満たすために数年間にわたってメール・データを保管しなければならないケースもある。

 グロッツバック氏は、「アーカイブ・サービスは、このようなユーザーに最適だ」と説明。価格は保存する期間や容量、そのほかの条件によって異なるが、1ユーザー当たり年間150ドルからだという。

 なお、ポスティーニの既存顧客は、Google Apps Premier Editionを、2008年6月まで無料で試用できる。

 米国ガートナーでアナリストを務めるトム・オースティン氏は、今回の機能追加によって、Google Apps Premier Editionが、米国マイクロソフトの「Office」スイートに対抗する競争力を強めたと指摘する。

 「グーグルは今年2月から6月の間に、37つもの新機能をGoogle Appsに追加している。グーグルは今後も、電子メールやコラボレーション・スイート市場で影響力を拡大するだろう」(オースティン氏)

 ただし同氏は、現時点ではGoogle AppsがOfficeの対抗馬になっていないと見ているようだ。

 「Officeを信頼している大規模企業は多い。彼らはGoogle Appsに興味を持っているものの、その存在は、(Google Appsが安価であることを理由に)Office製品のライセンス価格を引き下げる交渉の材料でしかない」(オースティン氏)

(ジョン・ブロドキン/Network World オンライン米国版)

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