国内でOpenID推進団体が設立へ――4月に正式発足
参加メンバーにはヤフー、ミクシィも野村総合研究所、シックス・アパート、日本ベリサインの3社は2月28日、日本国内におけるOpenIDの普及促進を目指す非営利団体「(仮称)OpenIDファウンデーション・ジャパン」の設立へ向けた活動を開始したと発表した。今年4月の設立に向け現在準備を進めている。
OpenIDは、1つのIDでさまざまなWebサービスにログインできるようにする、いわゆるシングル・サインオン(SSO)技術の1つである。同仕様は、“Open”という言葉が示すように、仕様が広く公開されており、インターネット上の対応サイトでの共通SSOを目指すものだ。
OpenIDにはさまざまなメリットがある。IDの一元管理が可能になり、複数のID/パスワードを管理する手間が省ける、信頼に足るOpenIDの発行元(OpenIDプロバイダー)を自分で選択できる、パーミッションに基づき、付随する個人情報を相手先サイトに提供できる、などだ。
SSO自体は特に新しい技術ではないが、従来は個別企業がそれぞれSSOを提供する形態であったため、特定企業に市場をコントロールされるのを嫌ってそれほど広がりを見せていない。OpenIDは、ユーザーが任意でOpenIDプロバイダーを選べるという点で、個別企業による“縛り”がなく、採用サイトも増えてきている。
特に最近では、今年1月に米国Yahoo!がOpenIDプロバイダーとして、Yahoo!IDをOpenID対応サイト(Relying Partyと呼ぶ)で利用可能にしたり、米国Google、米国Microsoft、米国IBMなどが昨年6月に設立されたOpenIDの普及を推進する非営利団体、OpenID Foundation(OIDF)の理事として加盟したりと、大手ベンダーの動きも含め、全体的にOpenIDが注目されてきている。
こうした注目度の高まりを受け、昨年10月ごろから日本での団体設立に向けたディスカッションが開始されたという。そして、OIDFとの調整を進めながら、今年の2月初旬に野村総研など3社を発起人として本格的に設立の準備を始めている。現状、国内企業でOpenIDファウンデーション・ジャパンへの参加を表明している企業は、ミクシィ、ヤフー、インフォテリア、ライブドア、アセントネットワークス、イーコンテクスト、テクノラティジャパン、ニフティとなる。
発表会に合わせて来日した、OIDFの副会長、デビッド・リコードン(David Recordon)氏は、「OpenIDにはすでに1万以上のWebサイトが対応し、2億5,000万以上の登録者がいる」と、OpenIDが急速に普及している点をアピールした。
また、OpenIDファウンデーション・ジャパンの発起人代表で、野村総研の情報技術本部 技術調査部 上級研究員である崎村夏彦氏は、「(OpenIDファウンデーション・ジャパンへの)参加企業は活動拠点が日本にあるということが基本となるが、日本にない場合でも参加できるようにしたい」と、幅広く受け入れていく方針を示した。
一方、現在はコンシューマー用途が中心に語られるOpenIDだが、企業ITとしての利用も考えられる。実際、企業内におけるID認証/管理の仕様策定を推進しているコンソーシアムであるリバティ・アライアンスも、「Concordia Project」としてOpenIDとの連携を模索中だ。
この点に関して同氏は、「しばしばリバティ・アライアンスの取り組みとOpenIDは敵対関係にあるように言われるが、実はまったく違う。相互に協力し合ってフェデレーション型ID管理システムを推進している」と語った。現状、OpenIDを企業内のID認証/管理システムに応用しようとする実際的な動きは少ないようだが、興味を示す企業は多いという。
ただし、OpenIDはセキュリティに関するリスクも指摘されている。例えば、フィッシングやOpenIDプロバイダーへの“なりすまし”などの問題である。こうした点は、現状、各OpenIDプロバイダーが強固な認証スキームを採用することで対応しつつあるという。
(山上朝之/Computerworld)
























