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【APC Press Day 2008 Singapore】

今後10年間でエネルギー業界の“Google化”を目指す

APCを傘下に収めた仏Schneider ElectricのCMOが語る
(2008年12月01日)

「Plant to Plug」をコンセプトに 過去の誤ったアプローチを正す

 「これからの10年間で、エネルギー業界は過去15年間の“誤ったアプローチ”を正していく必要がある」──。フランスSchneider ElectricのCMO(最高マーケティング責任者)、アーロン・デイビス(Aaron Davis)氏はこう切り出し、エネルギー消費削減に向けた取り組みをマクロ的視点からとらえ直し、そのアプローチを大きく「変革」することが必須であるとの認識を示した。

米国ボストンからテレカンファレンスで参加したSchneider ElectricのCMO、アーロン・デイビス氏

 昨年APCを傘下に収めたSchneider Electricは、配電設備や産業用動力制御装置などの製品/ソリューションを提供している。事業フィールドはAPCブランドでカバーするデータセンター領域だけでなく、電力インフラや工場、オフィスビル、一般家庭までと幅広い。消費電力比率に換算すると、Schneiderの事業フィールドにおいては実に全体の70%以上の電力が消費されている計算となる。電力分野のスペシャリストとして、Schneiderのエネルギー効率化に対する責務は重い。

 デイビス氏が「誤ったアプローチ」だと指摘するのは、例えば、環境負荷の少ない発電技術に対する過度の期待だ。太陽光や太陽熱、風力といった「クリーンな」発電技術の重要性は認めるが、技術が成熟し、大きな市場シェアを獲得するまでには長い時間がかかるため、喫緊の課題に対する有効な対策にはならない、とデイビス氏は分析する。「原子力発電でさえ25年もかかったのだ」(デイビス氏)。

 さらにデイビス氏は、直接的な電力消費量だけではなく、間接的に消費する資源やエネルギーの存在にも目を向けるべきだと指摘する。例えば、データセンターの運用においては空調や照明も電力を消費するうえ、各種設備の導入/更新も発生するため、間接的に水、金属、プラスチックといった資源を大量に消費することになる。こうした資源の生成にもまた、大量のエネルギーが使われているわけだ。

 こうした現状に鑑み、デイビス氏は環境負荷削減の取り組みについて「Plant to Plug」というコンセプトを提唱する。すなわち、そうした取り組みを行うポイントを、発電所(Plant)の側からデータセンターや工場、オフィスなどの利用者側(Plug)に移すという発想である。

Schneider Electricの事業フィールドは電力インフラから工場、オフィスビル、一般家庭までと幅広い

 発電や送電の過程で失われるエネルギー量は非常に大きい。火力発電(石炭)に使われる1次エネルギー量を「100」とすると、電力として利用者のもとに届くエネルギー量は「33」にしか相当しないという。だが、これを逆に考えると、利用者側で消費電力を削減するたびに、その3倍の1次エネルギーが節約できる計算になる。

 つまり、「Plug」側でのエネルギー消費削減の取り組みを強化することこそが、より迅速かつ大規模なエネルギー効率化につながるのだ、とデイビス氏は説明した。

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