省電力技術と自動階層化によって実現される高効率のストレージ環境
ストレージを主領域に次世代データセンターのあるべき姿を追求するEMCジャパンデータの爆発的増大に加え、ビジネス環境の変化速度も加速するなか、サーバ、ストレージ、ネットワークからなるITインフラの効率化は、IT部門における最優先課題の1つとなっている。Green Cloud Solutions 2010の基調講演には、EMCジャパンでテクノロジー・ソリューションズ本部 プロダクト・ソリューション統括部 シニア・プロダクト・マーケティング・マネージャーを務める雨堤政昭氏が登壇。グリーンITの実現に貢献しうるITインフラの効率化手法について、ストレージの効率化を軸に解説した。
ITインフラの効率化、グリーン化に
つながる自動階層化ストレージ
クラウド・コンピューティングには、複数のアプリケーションでリソースを共有し、ITインフラの効率化を促すという側面がある。雨堤氏によれば、ここへの注力がグリーンITにもつながるという。
「利用のピーク・タイムがバラバラのアプリケーション群でリソースを共有すれば、リソースを集約し、無駄な電力を消費している遊休状態のハードウェアを削減することが可能になる」と雨堤氏。同氏は、そうした効率化を実現する手法として、サーバ仮想化によるリソース利用率の向上、ユニファイド・ネットワークによるLAN/SAN帯域の共用化、階層化ストレージによるデータ配置の最適化を挙げた。
後半では、ストレージの効率化を支援するEMCの技術/製品として、エンタープライズ向けのSSDである「EFD(Enterprise Flash Drive)」や、ストレージ階層化を自動実行する「FAST」などが紹介された。
雨堤氏は、ファイバ・チャネル(FC)ディスク528台で構成した総容量55TBのストレージと、EFD/FC/SATAの混在構成で同容量にしたストレージの消費電力を比較した結果を示した。それによると、混在構成ではドライブの導入コストが17%、電力/冷却コストが32%削減される一方、I/O性能が38%向上したという。「アプリケーションの要求に応じて適材適所で利用ドライブを選択するストレージ階層化が効率化、省電力化につながる」(雨堤氏)
ただし、ストレージに対するI/O要求は絶えず変化しており、その変化を予測しにくいアプリケーションも多く存在するため、マニュアル操作でのストレージ階層化は困難をきわめる。そこで「自動階層化の仕組みがあれば、変化に機敏に対応しながら、マニュアル作業では不可能なレベルまでストレージ・リソースを効率化できる」(雨堤氏)という。
最後に雨堤氏は、次世代データセンターに向けた取り組みとして、シスコシステムズ、ヴイエムウェア、EMCの3社がそれぞれの技術/製品を持ちよる形で開発されたプライベート・クラウド構築パッケージ「Vblock Infrastructure Package」の概要を紹介し、講演を締めくくった。
●Green Cloud Solutions 2010 講演レポート
○開幕記念講演: 収益効率向上の“結果”として達成されるグリーンIT(ライブドア 伊勢幸一氏)
○省電力技術と自動階層化によって実現される高効率のストレージ環境(EMCジャパン 雨堤政昭氏)
○クラウド・モデルの見極めとデータセンターの効率向上――今、CIOに求められる“視点”とは(日本IBM 山下克司氏)
○閉幕記念講演:仮想化とグリッドが、グリーン・クラウドの実現において重要な役割を果たす(産総研 伊藤 智氏)



























