言うはやすく、行うは難し――データセンターの電力効率評価
Green Gridが提唱するPUEの功罪とはデータセンターの「グリーン度合い」を示す指標として、非営利業界団体のGreen Gridが提唱する「PUE」(Power Usage Effectiveness:電力使用効率)が浸透し始めている。PUEはシンプルでわかりやすく、扱いやすい指標だが、「それを妄信するのは考えものだ」と多くの専門家は指摘する。
サーバ仮想化を進めると PUEが「悪化」する?
データセンターの電力コスト削減は、多くのIT担当者や施設担当者の最優先課題の1つとなっている。だが、自社のデータセンターがグリーン化における“優等生”なのか“劣等生”なのかを簡単に見分けるのは、意外に難しいことだ。
そこで、非営利業界団体であるGreen Gridは、データセンターのエネルギー効率を示す指標「PUE」(Power Usage Effectiveness:電力使用効率)を考案、提唱している。
PUEは、「データセンター施設全体の消費電力量」を「IT機器の消費電力量」で割った値だ。例えば、米国Googleの調査報告書では、「PUEが2.0の場合、IT機器の消費電力1ワットにつき、IT機器の冷却や給電のためにさらに1ワットが消費されていることになる」と説明されている。
しかし、多くの新しい指標がそうであるように、業界内ではPUEの算出に用いる数値の測定方法や、PUEがどんな状況で有効なのかを巡って混乱が生じている。
PUEを計算する際には、IT機器自身が消費する電力と、サーバ・ルームの冷却や給電などで消費されるデータセンター施設全体の使用電力を測定する。このとき、サーバ・ルームとオフィス・スペースが併存する複合用途のビルでは、データセンターに供給される電力だけを区別したうえでPUEを計算しなければならない。
データセンター関連サービス会社のUptime Instituteは、会員向けの有料サービスとしてPUEの算出を行っており、同社顧客の平均PUEは「2.0〜2.5」だという。だが、同社の創設者でエグゼクティブ・ディレクターのケネス・ブリル(Kenneth Brill)氏は、企業が算出結果を誤解する可能性を懸念している。
例えば、IT部門がサーバ仮想化によって物理サーバの台数を削減し、IT機器の消費電力を20%削減したとする。それを悪いことと思う人はまずいないだろうが、その結果としてPUE計算式の「分母」が小さくなり、PUEの値は上昇する。そのため、施設管理者が上司に怒られるかもしれないとブリル氏は語る。
「IT機器の消費電力が減って責められるのでは、施設管理者はたまったものではない」(ブリル氏)



























