「Thunderbird 3.0」の開発ロードマップが変更―― ベータからアルファへ異例の後退
「ベータを名乗るには不十分で、マイナス評価を避けるため」と開発者米国Mozilla Messagingは9月30日、同社のオープンソースのメール・クライアントの次期バージョン「Thunderbird 3.0」の開発ロードマップの修正を行ったことを明らかにした。次のリリースでは「3.0ベータ1」版の公開が予定されていたが、取りやめて「3.0アルファ3」版に戻すという異例のスケジュール後退となる。
元Firefoxのプログラマー、ダン・モースデール(Dan Mosedale)氏は、今年1月にMozilla Messagingに加わったThunderbirdの開発チームの1人だ。同氏は9月30日、自身のブログで、当初、近々に公開されるリリースをThunderbird 3.0 ベータ1と呼ぶ予定だったが、これが変更となりアルファ3とすることを明かした。
モースデール氏は開発中のリリースの名称を変更した理由について、否定的なレビューを避けるためだと説明した。「ベータと名付けると、必要以上にマスコミからの注目が集まるが、まだ対処できる時期ではない。なかには、(Thunderbird 3.0を)現状で判断するような不適切な評価もありえるため、混乱を招くことはできるだけ避けたかった」(モースデール氏)
オープンソースのメール・クライアントであるThunderbirdは、Mozilla Messagingが手がける基幹のプロジェクトだ。3.0アルファ版はすでに数カ月前にリリースされていたが、以前の暫定的な開発ロードマップでは、9月末にはベータ1が「コード・フリーズ」の段階に入り、続いて11月にはベータ2を、さらに2009年1月後半には最初のRC(リリース候補)版を提供することになっていた。しかし、今回、開発スケジュールが変更され、旧ロードマップ上でベータ1とされていたリリースがアルファ3に、ベータ2はベータ1に置き換わることになる。
モースデール氏は、名称をアルファに戻す理由についてさらに説明を加え、「次期バージョンには、当初予定していたほど多くの新機能を入れることができなかった。ユーザーが視覚的に違いを感じられるような特徴の追加が、まだ山のようにある」と述べた。例えば、タブ機能の全面的な見直し、メッセージ閲覧機能の強化、スケジュール帳との統合などが挙げられるという。
同氏は、次のバージョンがベータ版としての典型的な条件を満たしていないことを認めたうえで、目前に迫ったリリースをベータと呼ぶことは誤りだと語った。このようにさまざまな要因が集まり、「余計な注目を浴びるベータ版としてではなく、アルファ版としてリリースすることに決定した」のだという。
Mozilla Messagingは、2007年にMozilla Corporationから独立した子会社だ。2007年7月、当時CEOを務めていたミッチェル・ベーカー(Mitchell Baker)氏は、「(Thunderbirdは)みずからその運命を決めるべき」と述べ、同社の大黒柱であるWebブラウザ「Firefox」に注力するため、分離を決定した。同年9月、Mozilla Corporationは新ベンチャー企業に300万ドルの立ち上げ資金を投資し、デビッド・アッシャー(David Ascher)氏をCEOに任命した。
なお、現行バージョンのThunderbird 3.0 アルファ2(開発コード名:Shredder)は、Windows、Mac OS X、Linuxの各OS対応版が、Mozilla MessagingのWebサイトからダウンロードすることができる。
(Gregg Keizer/Computerworld米国版)
























