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マイクロソフト、Linuxコミュニティにソースコードを提供――ライセンスはGPLv2

「Hyper-V上で動作するLinuxのパフォーマンス向上が見込める」と同社
(2009年07月21日)

 長年にわたり知的財産問題をめぐってLinuxコミュニティと対立してきたMicrosoftが、Linuxカーネル・コミュニティに対して2万行におよぶソースコードを提供したことを7月20日に明らかにした。

 このソースコードはGPLv2(GNU General Public License 2)で提供され、3種類のLinuxデバイス・ドライバが含まれている。Microsoftによれば、このコードによって、同社の仮想化ソフトウェア「Hyper-V Server 2008」上でLinuxを稼働させる際のパフォーマンス向上が見込めるという。

 Microsoftのサーバおよびツール部門プラットフォーム戦略担当上級ディレクター、サム・ラムジ(Sam Ramji)氏は、同社が出した公式声明の中で、「Microsoftとオープンソース開発コミュニティがともに成長していけば、最終的には顧客のメリットになる」と述べた。

 「Linuxコミュニティが開発してきたプラットフォームは、今では当社の顧客の多くが使用している。したがってわれわれは、Linuxをはじめとする多様なオープンソース技術とWindowsプラットフォームの互換性を強化し、顧客が望んでいる幅広い選択肢を用意することを重要な戦略として位置づけている」(ラムジ氏)

 これまでMicrosoftは、各種のオープンソース・ソフトウェアが同社の所有する235件の特許に抵触していると主張し、オープンソース陣営と対立してきた。ラムジ氏も、「今回のコード提供は、数年前のMicrosoftであれば考えられない取り組みだった」と認めている。だが、「こうした変化を引き起こすほど、顧客の需要は大きかった」(同氏)のだという。

 「複雑性の解消はコスト削減のためにきわめて重要であり、多くの企業がヘテロジニアスな環境をうまく運用できるよう支援してほしいとMicrosoftを頼ってきている。現在では、互換性がビジネスを成長させるてこになるのだ」(ラムジ氏)

 一方、Linux Foundationのエグゼクティブ・ディレクターを務めるジム・ゼムリン(Jim Zemlin)氏は、Microsoftのこのたびの取り組みがオープンソースの妥当性を証明しているとする声明を発表した。

 「デバイス・ドライバのコードをLinuxカーネル・コミュニティに提供するというMicrosoftの行為は、オープンソースの開発モデルおよびGPLv2の意義を同社が認めたことを意味すると考えている。やや遅きに失した感もあるが、今日のIT市場で生き残るためには協調が欠かせないと理解したMicrosoftを評価したいと思う」(ゼムリン氏)

 Redmonkのアナリストであるステファン・オグレディ(Stephen O'Grady)氏も、Microsoftの取り組みは歴史的なものだと同意している。

 「理にかなった取り組みであり、同社にとっては前代未聞の決断だ。Microsoftは、顧客の大半がLinuxとMicrosoft製品を仮想環境内で併用している現実と向き合い、互換性の面を強化すべきと認識したのだ。オープンソース・コミュニティに対するMicrosoftの情報公開は今後も続くと考えている」(オグレディ氏)

 7月23日には、カリフォルニア州サンノゼでO'Reilly主催のカンファレンス「OSCON(Open Source Convention)」が開催される。Microsoftの声明によれば、Microsoft Researchのエクスターナル・リサーチ部門でコーポレート・バイスプレジデントを務めるトニー・ヘイ(Tony Hey)氏が、同イベントでで講演を行う。

 ヘイ氏は、ここ最近同社が繰り返し強調してきたオープンソース・コミュニティとの和解を踏まえたうえで、“研究現場のヘテロジニアスな環境における”オープン・アクセスやオープン・ツール、互換性の実現などにMicrosoftが貢献している現状を語る予定だ。また、データ処理/分析ツールが科学の発展のために担う役割について議論するとのことだ。

 Microsoftは、Windows ServerとSQL Server上でのPHPの動作を最適化する取り組みに投資していることも強調している。同社はSQL ServerドライバをPHPに対応させ、SQL Server 2008のデフォルト機能をより多くサポートできるように努めているという。また、PHPツール・ベンダーのZend Technologiesと提携を結んでいる。

(Paul Krill/InfoWorld米国版)

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