“Karmic Koala”こと「Ubuntu 9.10」、10月29日にリリース
デスクトップ版は起動時間を短縮、サーバ版はクラウド対応を強化英国Canonicalは10月26日、“Karmic Koala”の開発コード名で呼ばれていたLinuxディストリビューション新版「Ubuntu 9.10」を10月29日にリリースすると発表した。デスクトップ版とサーバ版があり、無償でダウンロードすることができる。
Ubuntuはここ数年、とりわけデスクトップOS市場において、「Windows支配の打破」というLinuxコミュニティの旗印を一身に担ってきたディストリビューションだ。「アプリケーションやゲーム・ソフトの選択肢が少ない」「デバイスの互換性に問題がある」といったマイナスのイメージを払拭するべく、Canonicalも積極的にコミュニティをサポートしている。
こうした後押しもあって、Linuxは当初、ネットブックOS市場でWindowsをリードしていた。だが、MicrosoftがWindows XPで巻き返しを図った結果、現在ではXPに引き離されているというのが実情だ。
Canonicalの設立者でCEOのマーク・シャトルワース(Mark Shuttleworth)氏は、26日の電話会見で、先ごろ一般発売されたWindows 7を「すぐれたリリース」と評価しながらも、UbuntuにもデスクトップOSとしてチャンスがあるとの見方を示し、3つのポイントを挙げた。
1つ目のポイントは、MicrosoftがネットブックOS市場で、8年前に投入したWindows XPをいまだに販売しているという事実だ。
また、そのXPに代わってWindows 7 Starter Editionを同市場向けに投入したMicrosoftの姿勢が、2つ目のポイントだという。Starter Editionは、XPよりも高価な割には、Windows 7の上位エディションに比べて機能面での制約が非常に多い。そのため、無償にもかかわらず機能面ですぐれるUbuntuとの差が際立つというわけだ。
3つ目のポイントは、Windowsが依然としてMicrosoftの独自OSであり、他の製品に比べ価格が高いという点である。
Ubuntuは現在、25機種のネットブック製品に採用されている。しかし、その大半は米国以外の国で出荷されており、シャトルワース氏も、米国市場で新たな巻き返し策を実施する必要があると認めている。
シャトルワース氏によると、Ubuntu 9.10ではドライバの互換性が大幅に改善されているという。「プリンタに関しては、AppleのMacと同じサブシステムを採用しているため、ほぼすべての製品をカバーできるはずだ。またビデオ・カードとネットワーク・カードについても、(互換性確保に)大きなエネルギーを注いだ」と同氏は述べている。
そのほか、デスクトップ版では起動時間の短縮化が図られるとともに、オーディオ・フレームワークも刷新された。また、バックアップ同期化やファイル共有機能などを提供する「Ubuntu One」をサポートしている。
ただし、Appleの「iPhone」との互換性が確保されていない点は、シェア奪還を目指すうえで大きな障害となる可能性がある。
一方、サーバ版はクラウド・コンピューティングへの対応を強化した点がニュースだ。「Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)」とのAPI互換性を備えた「Ubuntu Enterprise Cloud(UEC)」をサポートしている。
「Ubuntuをエンド・ツー・エンド・ソリューションとして提供したいと考えている。2010年には、ARMのスマートブックだけでなく、クラウド環境で使用されているIntel Xeonサーバ環境でも、Ubuntu対応のアプリケーションが開発されるような流れを作りたい」(シャトルワース氏)
シャトルワース氏は、Googleが提唱しているChrome OSについても言及、次のように述べた。
「(Chrome OSは)当社にとって脅威ではなく、エネルギーを与えてくれる存在だ。クラウド指向の環境では、デスクトップ・システムが重要な役割を担うことになるはずだ。当社としては、Webブラウザ経由ではなく、デスクトップ・アプリケーションに対して直接サービスを提供したいと考えている」
(Eric Lai/Computerworld米国版)
























