The Open Group、EAフレームワーク新版「TOGAF 9」を発表
ADMのSOAへの適用を容易に2月初め、EA(Enterprise Architecture)フレームワーク仕様として知られる「TOGAF(The Open Group Architecture Framework)」が6年ぶりにメジャー・バージョンアップを果たした。新版ではモジュラー構造が進化し、斬新的な標準採用や画期的なリリース管理のサポートなどが可能になっている。
「互換性の確立と境界のない情報流通」を目指す技術コンソーシアム、The Open Groupにとって、「TOGAF 9」はEAフレームワークの久々の新版となる。TOGAF 9は、6年前に発表されたTOGAF 8の後継であり、さらなる緻密性と明瞭性を新たに追加したものだと、The Open Groupは話している。
The Open Groupによると、TOGAFは現在、フォーチュン50企業の6割以上と、世界中のフォーブス50企業の8割以上で採用され、EAの開発に要する時間・経費・リスクを減らし、ビジネス・アジリティを高めるのに貢献しているという。
バージョン9の特徴はモジュラー構造の進化にあり、これが利便性の向上や漸進的な標準採用の促進、画期的なリリース管理のサポートなどを実現している。また、TOGAFのアーキテクチャ構築手法(Architecture Development Method:ADM)を、SOA(サービス指向アーキテクチャ)やセキュリティ・アーキテクチャに当てはめる方法を示す資料も添付される。
TOGAF 9に新たに加えられたアーキテクチャ・コンテンツ・フレームワークとしては、EAを正式に定義し、経営目標とIT目標を関連づけるコンテンツ・メタモデルがある。Architecture Artifactsを保管しておくアーキテクチャ・リポジトリの構築法についても、ガイダンスが提供されている。
そのほか、一連のコンセプトおよびガイドラインが拡張され、設計ガバナンス・モデルが確立している組織内において、統合されたアーキテクチャ・ヒエラルキーを構築することが可能になった。
Real IRMのコンサルティング・マネジャーで、The Open Group南アフリカ支部のトレーナーも務めるポール・ヴァン・デ・メルヴェ(Paul van der Merwe)氏は、今回の新版について、「業界標準をさらに一般化したようなもの」と説明。SOAソリューションやセキュリティ・アーキテクチャをはじめとする「ありとあらゆるアーキテクチャに実装できる」(メルヴェ氏)ものだという。
TOGAFは、ベスト・プラクティスに起源を持つユーザー主導型の標準で、ほかのEAフレームワークを補完する。その原型は、米国防省が作成した「TAFIM(Technical Architecture for Information Management)」である。The Open GroupのCEO、アレン・ブラウン(Allen Brown)氏の言葉を借りれば、TOGAFは「エンドユーザー組織がエンドユーザー組織のために作り上げた標準」となる。
一方、Ovumの上級アナリストであるトニー・ベア(Tony Baer)氏は、TOGAFについて、アーキテクチャ・パターンを体系化する際の規範となるものと位置づけている。EAを導入すれば、ユーザーは一貫性のある技術選びができるようになるだろう、と同氏は語った。
にもかかわらず、TOGAFを採用しているのは、グローバル200クラスの規模を誇る企業ばかりというのが現状だ。「そうした大企業だけが、EAソリューションが必要だと思われている。そのため、それ以外の企業がEAに潤沢なIT予算を投じるのは難しい」(ベア氏)
ベア氏は、いずれはSOAが新たなアーキテクチャ・パターンと化し、EAの一部になると考えている。「したがって、SOAガバナンスはEAと調和のとれたものにしなければならない」と同氏は述べている。
(Paul Krill/InfoWorld米国版)



























