主要ベンダーがSOAプログラミング・モデルの新仕様「SCA」を共同発表
米国BEAシステムズ、IBM、オラクルとシーベル・システムズ、ドイツのSAPなど主要ソフトウェア・ベンダーが11月30日、SOA(サービス指向アーキテクチャ)ベースのアプリケーションの開発を容易にする新仕様「Service Component Architecture(SCA)」を共同発表した。
SCAは、ITインフラのビジネス・ロジックとアプリケーションおよびミドルウェアを分離する新たなレイヤを設けることを目指したもの。BEA幹部のビル・ロス氏は、BEAの開発者向けブログの中で、「SCAはシステム記述の大きな枠組みであり、Javaだけでなく任意のプログラミング言語を利用できる」と説明している。
SCAの主要構成要素の1つは、IBMとBEAが数年前に策定し、すでに両社の一部ソフトウェアに利用されている「Service Data Objects(SDO)」仕様。SDOを使えば、プログラマーは異なる種類のソース(RDBMSやXMLデータ・ソース、エンタープライズ・アプリケーションなど)にあるデータを容易に使用したり操作したりできる
BEAの標準&アーキテクチャ担当バイスプレジデントのエド・コブ氏は、電話記者会見において、「Webサービスが盛んにもてはやされているが、こうした技術を利用するのに必要なプログラミング技術はまだ原始的な段階にとどまっている。SCAの目標の1つは、JavaやC++のようなプログラミング言語でサービスをより容易に作成できるようにすることだ」と述べた。
SCAの発表で注目される点は、主要なERPベンダー全社やIBM、BEAといったミドルウェア大手など、有力企業がこぞって支持していることである。Javaの生みの親である米国サン・マイクロシステムズの名前はSCA推進企業のリストに含まれていないが、SCA仕様策定に関与してきたこれらの企業の幹部は、サンと話し合いを進めていると語っており、同社がSCAの策定に加わると見ている。
米国ザップシンクのアナリスト、ロナルド(ロン)・シュメルザー氏は、「SOAへの取り組みは、行うか行わないかを選択する余地はもうなくなっている。こうしたベンダーがみな、SOAへの対応強化を目指していることは明白だ」との見解を示した。
SOAは、ソフトウェア・コンポーネントをリンクするためにWebサービスなどの標準プロトコルを利用することによって、アプリケーションやデータの統合上の問題を回避しようとうする設計アプローチである。
BEAのコブ氏は、SCAがSOAシステムの構築にどのように役立つかについて、自動車保険会社を買収する個人保険会社のシステム統合を例に説明した。このケースでは、個人保険会社が、JavaアプリケーションでRDBMSのデータを読み書きしており、新規顧客データはコールセンターと直販代理店からネットワークを介して送られてくる。一方の自動車保険会社は、C++のアプリケーションを使って主にWebサイトで保険を販売しており、XML形式のデータ・ストレージに頼っている。
「このように異なる2つのIT環境を統合しようとすれば、作業は困難を極めそうだが、サービス・アプローチを採用すれば、どちらも従来のシステムを稼働し続けることができる。それぞれのサービスをSCAによって統合し、データ共有にSDOを利用すれば、両方の技術の良いところを生かしながら、包括的で一貫性のあるシステムを実現できる」(コブ氏)
IBMのソフトウェア・スタンダーズ担当バイス・プレジデント、カーラ・ノースワーシー氏は、「同仕様は標準化団体への提出が計画されているが、まだドラフト(草案)の段階であるため、提出はしばらく先になる可能性が高い」としたうえで、数週間以内に、開発者がSCAを試すことができるコードをIBMのWebサイトに掲載する予定であることを明らかにした。
米国インターアーバー・ソリューションズのプリンシパル・アナリスト、ダナ・ガードナー氏は、「標準およびサービス・ベースのアプローチを採用するベンダーが増えている今、SCAは次なる必然的な一歩だ」と評価する。
ただし、ガートナー氏は、さらなる標準や統合技術(の登場・投入)がどれだけ顧客の役に立つかに関しては疑問を呈している。「企業が新たなレベルの複雑な統合やその複雑さを単純化するための新しいアプローチを3年ごとに次から次へと受け入れなければならないとすれば、企業はいずれ、その“回転木馬”を降りたいと言い始めるにちがいない」(同氏)
また、ガートナー氏は、「今後、企業ユーザーはWebサービスでリンクされたシステムを構築することができるようになるが、小規模な企業では、基盤アプリケーションを取り扱う作業はホスティング・サービス・プロバイダー(例えば、CRM市場で大きく躍進した米国セールスフォース・ドットコムなど))にアウトソーシングするところが増えるだろう」と予測している。
(Originally reported by Stacy Cowley, IDG News Service 12/01/2005)
(IDG News Service)



























