2010年にはSaaSプロバイダーの90%がOSSを利用――ガートナー調査
ソフトウェアの調達コスト引き下げがねらい米国Gartnerは先ごろ、2010年までにSaaS(Software as a Service)プロバイダーの10社中9社が、コスト節減のためにオープンソース・ソフトウェアを多用するようになるとの予測を示したリポートを発表した。
Gartnerのアナリスト、ロバート・デシスト(Robert Desisto)氏によると、多くのSaaSプロバイダーはすでにオープンソースのOS/アプリケーション・サーバ/データベースを採用しているという。例えば、米国Salesforce.comは、顧客がインターネットに接続していない時でも同社のデータへのアクセスを実現するサービスで、オープンソースのデータベースを使用している。
Gartnerは、SaaSプロバイダーに対する聞き取り調査に基づき、2010年時点で90%のプロバイダーが何らかのオープンソース・ソフトウェアを導入すると結論づけている。なお、同社は、2007年秋に発表した調査リポートでも、2011年には市販ソフトの80%がオープンソース・コードを使うようになるとの見通しを示していた。
Desisto氏は、「SaaSプロバイダーが目指しているのは、ソフトウェアの調達コスト引き下げであり、経済的な動機がオープンソース導入の原動力になっている」と述べている。
SaaSプロバイダーは、オープンソース・ソフトウェアの導入に加えて、オープンソース・ディベロッパーが利用しているテクニックも採用しているという。米国のコンサルティング会社、THINKstrategiesのJeffrey Kaplan(ジェフリー・カプラン)氏は、「SaaSプロバイダーの多くは、公開ベータ版やオープンソースAPI、ピア・サポートなどを利用した、オープンソース・コミュニティが自分たちのソリューションをテストや拡張、サポートするために編み出した手法を採り入れている」と語っている。
SaaSプロバイダーは、オープンソースを利用することで浮かせた資金を顧客に還元したり、自社の収益に加えたり、研究開発に利用したりすることができる。しかし、Desisto氏は、浮いた資金がユーザーに還元される可能性は低いと述べている。そうした資金の大半は、ベンダーの収益になるか、研究開発に回される公算が高いという。
Desisto氏は、SaaSプロバイダーがオープンソースに移行しても、顧客のIT部門にはほとんど違いがわからないため、苦情が出ることは少ないが、別のところでさまざまな問題が発生する可能性はあると指摘している。
Salesforce.comやSugarCRMなどは、多様なアプリケーションに対応するエクステンションをユーザーが開発/共有できるサービスや、新たなアプリケーションをユーザーが開発できるサービスなどを展開している。Gartnerは、この種のアプリケーションは、少なくとも30%が“オープンソース・ライク”になると見ている。この場合、アプリケーションの開発元が収益を上げることも可能であり、結果として「オープンソース」と「クローズドソース」を掛け合わせたハイブリッド・モデルが生まれることになる。
このためユーザー側では、アプリケーションを使うたびに、特許侵害で訴えられる可能性を考慮しなければならなくなるという。
Desisto氏は、「IT部門は、オープンソースSaaSの利用をきちんと管理し、特許侵害にならないものだけを使うようにする必要がある」と語っている。
さらに同氏は、販売や業務といったIT部門以外の部署がSalesforce.comやSugarCRMなどのプラットフォームを使っている場合、ITガバナンスのカバー範囲外でアプリケーションが開発、導入される可能性もあると指摘している。「SaaSを導入する際、IT部門には慎重な検討作業が求められる。管理の手が及ばないと、ガバナンスの問題が見落とされてしまうからだ」(Desisto氏)
(Jon Brodkin/Network World米国版)
























