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【ノークリサーチ調査】

国内SaaS市場が急成長、2012年には現在の約9倍に

企業の初期投資抑制が強まり、IT資産は“自己所有”から“外部利用”の時代へ
(2008年12月24日)

 IT市場調査会社のノークリサーチは12月24日、国内SaaS市場の現状分析と今後の中期予測を行った調査報告書「2009年版SaaS市場の実態と中期予測」を発表した。

 報告書では、今後ユーザー企業による初期投資の抑制が強まることで、IT資産を自社で所有することから外部のものを利用することへと移行する動きが加速するとしている。その結果、国内SaaS市場の規模は、2008年の866億円から2009年には2,207億円に、さらに2012年には2008年の約9倍に当たる7,746億円にまで拡大すると予測している。一方、PaaS(Platform as a Service)に関しては、2009年は一部の先進企業による利用に限定され、市場規模も167億円にとどまるものの、2010年以降に急速な成長が始まり、2012年には1,602億円に達すると見ている。


国内のSaaS市場とPaaS市場の推移

 またノークリサーチでは、タイプごとにベンダーを分類して、PaaSへの取り組み動向に関する分析を行っている。

 まず、Salesforce.comやGoogleといった既存の大手SaaSベンダーは、すでにPaaS分野へと進出し、自社サービスのプラットフォーム化を進めている。ただし、Salesforceは業務アプリケーションの開発・運用基盤、一方のGoogleは簡易Webアプリケーションの開発基盤と、それぞれの目指す方向は異なっている。そのため、両社は今後も互いに競合せずに発展していく可能性が高いと見ている。

 次に、NECや富士通などの大手ハードウェア・ベンダー、NTTデータなどのアウトソーシング基盤を持つ大手SIer、KDDIなどの大手ISPも、それぞれPaaSへの参入を開始している。当初は大企業に対して「企業内SaaS」や「企業内クラウド」を提供する個別案件が主体となるものの、PaaSを活用するISVやSIerが増加するにつれて、中堅・中小企業向けのアプリケーション・マーケットプレース的なサービスへと進化していくことが期待されるという。ただし、その変化は緩やかで、ISVがPaaSを利用するまでには最短でも1〜2年の期間が必要だとしている。

 そして、Microsoftや日本オラクルといった大手ソフトウェア・ベンダーは、PaaSの基盤となるOSやミドルウェアの提供に今後注力していくものと見られている。両社とも自社でPaaSを提供してはいるものの、国内大手ハードウェア・ベンダーや大手ISP、大手SIerが提供するPaaSとは直接競合せずに、PaaS構築基盤提供者としての役割を担うことになりそうだ。

 ユーザー企業がSaaSを導入することのメリットについてノークリサーチは、「ユーザーがSaaSに期待する最大の効果はコスト削減だが、場合によってはSaaSのほうが既存のソフトウェアよりもコスト高になってしまうケースも少なくない」と指摘したうえで、訴求すべき重要なメリットとして次の3つを挙げている。

 1つ目は、セキュリティ対策やクライアント運用管理など、難易度の高いシステム運用を他者に任せられるメリット。2つ目は、メール・アーカイビングやファイル送信監査証跡など、第三者に管理を委ねることで生ずるコンプライアンス面のメリット。そして3つ目は、業界ごとの資材調達を担うマーケットプレースなど、他者とシステムを共有することによって得られるメリットである。

 また、SaaSへのニーズが高い分野としては、セキュリティ対策、ソフトウェア資産管理、サーバ監視といった情報処理システム資産の管理・運用を挙げている。逆に、財務会計、販売管理、給与計算といった基幹系業務については、社外に委託することへの抵抗が強いという。

(Computerworld.jp)

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