SaaS型BIの長期コストに注意――アナリストが指摘
予想以上に負担が大きい可能性もSaaS(Software as a Service)型ビジネス・インテリジェンス(BI)ツールは、多大なコスト、リスク、手間を伴うオンプレミス(自社運用)型BIツールに代わる有効な選択肢になる――PivotLinkは、このように訴えている。その一方で、IDCカナダのアナリストは、SaaS型BIの長期的なコストに注意すべきと警鐘を鳴らしている。
PivotLinkは、SaaS型BIツールを手がけている。同社の営業担当者、カーロス・メナ(Carlos Mena)氏は、特に不景気な時期には、IT予算の抑制に伴い、オンプレミス型BIツールの導入に必要なリソースが不足するため、費用回収期間がきわめて重要になると語る。「大企業でのは、BIは非常にコストがかさむ」と同氏。
また、高価なユーザー・ライセンスを購入したのに、BIツールが十分に活用されないままになってしまう懸念もあるという。メナ氏は、「これは、BIツールが複雑すぎるか、求めている成果が出るまでに時間がかかりすぎるためだ」と指摘する。
メナ氏が見てきた事例では、オンプレミス型ツールの導入の成功度合いはまちまちだという。その原因としては、従来のBIツールのアーキテクチャ上の制約があるという。同氏によれば、一般的なオンプレミス型ツールは、新たなデータ・ソースを柔軟に統合できない、もしくは、データベースに保存できるデータやそのリポート内容が制約されるという問題があるとのことだ。
「企業によっては、BIツールに対して、3年間に50万ドルや100万ドル、ことによると300万ドルもの投資を行う。それだけの投資をしても、そのソリューションをごく少数のユーザーしか使っていないことも少なくないのだ」(メナ氏)
PivotLinkのあるユーザーは、オンプレミス型システムの運用(クエリやリポート、システム・パフォーマンス調整といった作業を含む)を行うためだけに6〜10人の正社員を抱えていた。だが、PivotLinkのSaaS型BIを導入し、人員をより効果的に活用できるようになったという。
メナ氏は、SaaS型BIは、主にコストや柔軟性の観点から導入が進んでいることを認める一方で、潜在顧客がオンプレミス型とSaaS型を比較する要素はそれらの要因だけではないと語る。
また、金融機関のような保守的な企業は、プライバシー保護のためにデータをオンサイトで管理しようとする傾向が強いという。だが、SaaS型BIの概念に対する理解が進んでおり、メナ氏は「潜在顧客の抵抗感は薄れてきている」と感じているとのことだ。
一方、メナ氏が主張するようなSaaS型BIツールの優位性を疑問視する向きもある。IDCカナダのエンタープライズ・アプリケーション担当リサーチ・マネジャー、ディラン・パーサウド(Dylan Persaud)氏は、SaaSの“隠れたコスト”を忘れてはならないと注意を促している。
「SaaS型BIツールは、当初は従来のオンプレミス型ツールより安上がりに見えるかもしれない。だが、利用するための負担が思った以上に大きい可能性がある」と、パーサウド氏は主張する。
これは、クラウド上のシステムに、データ・ソースである既存のオンプレミス・アプリケーションを統合したり、SaaS型ツールで得られるデータを社内で活用するために、当初から多くの作業が必要になるからだ。
パーサウド氏は、「“規模の経済”が働くことを考えれば、インフラを共有するSaaSのコストは相対的に安く収まり、費用回収期間も短縮されるだろう」と語る。だが、同氏は、このことはまだ具体的な数字で実証されていないと注意を促す。「今のところ、SaaSの最終的なコストがオンプレミス・アプリケーションよりも安いかどうかは、明らかになっていない」
(Kathleen Lau/Computerworldカナダ版)



























