ユーザー調査に見るSaaS活用の現状と指針
どうすればSaaSのメリットを最大限に引き出せるかSaaS(Software as a Service)という言葉は、2006年後半ごろより広く知られるようになった。以来、SaaSベンダーは増加の一途をたどり、PaaS(Platform as a Service)のような新たな概念が登場するなど、ベンダー側の盛り上がりは続いている。では、ユーザーは、こうした状況をどのように受け止めているのだろうか。本稿では、国内中堅・中小企業(年商5億円以上〜500億円未満)を対象に実施した調査データを基に、SaaS活用の現状と指針について述べていく。
業務システムという 視点からSaaSを考える
ノークリサーチの調査では、SaaSという言葉の認知度は年商5億円以上〜50億円未満の中小企業で約35%、年商50億円以上〜500億円未満の中堅企業で約43%という結果になった。しかし、大切なのは言葉の認知度ではなく、実際にどのような場面でSaaSの活用が期待されているのかということだ。
あくまでもSaaSは業務システムの提供形態の1つであり、特定の業務システム分野のことではない。したがって、SaaSの実態を把握するためには、現実の業務システムに視座を定めることが重要なのである。
図1は、「今後SaaS形態での利用を検討したい業務システム」を中堅・中小企業ユーザーに尋ねた結果である。ここでは、SaaSと言った際に一般的にイメージされる基幹系/情報系アプリケーションだけではなく、サーバ監視のような運用管理系、ウイルス/スパム対策のようなセキュリティ系のサービスが上位に食い込んでいる。
従来は、「SaaS=GUIを持つWebアプリケーション」という見方が一般的だった。だが、今後は運用管理系/セキュリティ系のような「GUIを持たないSaaS」も、企業のIT活用のなかで重要な役割を担うようになるとノークリサーチでは考えている。
「GUIを持たないSaaS」が 2009年以降の市場を牽引
次にSaaSの市場規模について見てみたい。ノークリサーチでは、SaaSは業務システムの提供形態の1つという考え方に基づき、「ソフトウェアおよびサービスの全体市場の何%がSaaS形態へ移行するか」という視点で市場規模を試算している。この方法であれば、従来は見過ごされがちだった運用管理系/セキュリティ系SaaSも、試算に含めることができる。
そのようにして試算した結果が図2である。2009年移行も著しい成長が予想されるが、この成長は特に「GUIを持たないSaaS」が牽引していくことになると思われる。



























