どちらを選ぶ? 仮想化とクラウド・サービス|SaaS|トピックス|Computerworld

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【解説】

どちらを選ぶ? 仮想化とクラウド・サービス

判断材料は「ニーズとコストとのバランス」だが、決め手はそれだけではない
(2009年09月15日)

オンプレミス(社内運用)の仮想化環境にこだわらないユーザー企業にとって、パブリック・クラウド・サービスは有力な選択肢に映ることだろう。コンピューティング・リソースやアプリケーションを外部のサービス・プロバイダーに求めることは、初期投資や管理コストなどの面で、オンプレミスのサーバ仮想化よりも大きなアドバンテージを得られる可能性がある。

サーバ増強に欠かせない仮想化技術

 SaaS(Software as a Service)型のスタッフ管理支援サービスをレストラン業界に提供している米国HotSchedules.comは、ここ3年ほど売上高を毎年2倍のペースで伸ばしてきた。その背景には、レストラン業界にも景気後退の波が押し寄せ、SaaSの導入でコスト削減を図るレストラン・チェーン店などが増えたことがある。

 だが、急激な成長には痛みが伴うものだ。もちろん、HotSchedules.comも例外ではなかった。同社は、6万ドルの出費が必要になるサーバ・ハードウェアの増設を迫られたのだ。しかし、結果的に同社は、その支出を抑えるとともに、拡大を続けるネットワークをサポートし、最大限のアップタイムを37万5,000人近くのユーザーに提供することを可能にしたのである。

 そのカギとなったのは仮想化だ。この技術は人気が高まっており、資金に余裕がない企業などでは、仮想化によってサーバ・ハードウェア投資の削減を図るケースが多い。

 仮想化技術は基本的に、社内で稼働する複数のサーバを1台のハードウェアに統合することを可能にするソフトウェア・レイヤを指す。その主なメリットは、多数のサーバのパワーをわずかな費用とスペースで利用できることにある。

 もっとも、HotSchedules.comの場合は「最初から仮想化ありき」ではなかった。1999年に同社は、サーバ・マシンとストレージをサードパーティ・プロバイダーから月額料金制でレンタルし始めた。これは基本的に、現在のマーケティング専門家がクラウド・コンピューティングと呼ぶIT利用形態である。ところが、お粗末な顧客サービスやコストの増大、キャパシティ上の制約などが問題となり、同社はレンタルを取りやめ、代わりに仮想化技術を導入した。

 「レンタル・サービス会社は、われわれのために数台のサーバと一定量のメモリをプロビジョニングしたが、彼らがしてくれたのはそれだけだった。顧客サービスもお粗末だったし、ひどい目にあった」と、HotSchedules.comの最高技術責任者(CTO)、マット・ウッディングズ(Matt Woodings)氏は当時を振り返る。

オンプレミスの仮想化か外部のクラウド・サービスか

 サーバやストレージのキャパシティを増強するためのアプローチに万能なものはない。HotSchedules.comが導入した仮想化技術にしても、高いセキュリティを確保するだけのために専門ノウハウを持った人材が社内に必要との指摘もある。

 一方、パブリック・クラウド・サービスに関しても、リソース変更の要望をその日のうちに実現するスケーラビリティの高さが称賛されている一方で、全体的な信頼性を疑問視する声が少なくない。

 また、大手ベンダーが大々的に宣伝しているクラウド・サービスのコスト削減効果も議論の的になっている。例えば、コンサルティング会社の米国McKinsey & Co.が2009年3月に発表し、物議を醸している調査リポートは、「大企業の場合、IT業務をクラウド・ベースに移行すると、ハードウェアを自社で所有する場合よりも高くつく(とともに信頼性が低下する)可能性がある」と結論づけている。

 では、企業は、仮想化とクラウド・サービスのどちらのアプローチが自社のニーズに適しているかを、どのようにして判断すればよいのだろうか。

 企業経営に関する調査や教育を手がける米国Corporate Executive Boardのインフラ・エグゼクティブ・カウンシルのプログラム・マネジャー、マーク・トンセティック(Mark Tonsetic)氏は、これらのアプローチの選択基準として、アプリケーションやデータの“性質”を挙げる。「個々のプロジェクトごとに、サポートされるアプリケーションやデータの性質に基づいて選択を行うことが肝心だ」(トンセティック氏)

 それぞれのプロジェクトで必要なサーバ・ワークロードやディザスタ・リカバリの要件、セキュリティ・リスク、担当ベンダーといった要素を基に、アプローチを検討しなければならないというわけだ。

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