セールスフォースとアドビが提携、RIA開発のための統合開発環境を提供
Force.comアプリケーションをオンライン/オフラインの両方で動作可能に米国Salesforce.comと米国Adobe Systemsは10月19日、リッチ・インターネット・アプリケーション(RIA)の統合開発環境(IDE)である「Flash Builder for Force.com」を発表した。開発したアプリケーションはブラウザ上だけでなく、オフラインでも動作する。
このIDEはオープンソースの高機能IDE「Eclipse」をベースとしており、100種類以上のユーザー・インタフェース・コンポーネントや、作図、アニメーションの機能を備えている。また、AdobeのRIAフレームワーク「LiveCycle Data Services」とも統合可能であり、Salesforce.comのForce.comプラットフォームから入手したデータを、クライアント側のデータ・ストアと同期させることもできる。
Salesforce.comの開発者向けサイト「Developer Force」では現在、開発者向けプレビュー版が提供されており、2010年上半期には正式版がリリースされる予定だ。ライセンス価格は未定だが、シート単位のライセンス体系で提供される。また、サポートは主にAdobeから提供されるという。
Salesforce.comとAdobeは、このIDEにより「両社が保有する最高の技術」を開発者に提供できると強調している。両社が考える主なユーザー層は、既存のアプリケーションにより高度なビジュアル機能を追加したいSalesforce.comの顧客、新規アプリケーションを開発する予定の企業、オフラインでForce.comアプリケーションの機能を使いたい企業という3つの層だ。
両社のデモでは、製薬会社の販売担当者が顧客/マーケティング関連の情報にアクセスし、オフライン状態でデータを書き換えたあと、再びオンライン状態に戻ってForce.com上のデータをアップデートするという作業が行われた。
Salesforce.comの製品マーケティング担当シニア・ディレクター、エリック・スタール(Eric Stahl)氏は、今回のFlash Builder for Force.comが、すでにあるSalesforce.comの開発ツールに取って代わることはないと説明する。同社が提供する「Force.com IDE」は、カスタム・オブジェクトやワークフロー・ルール、そして」アプリケーションの根幹をなすすべての部分」の開発に利用されている。
また、Flashコンポーネントを単にユーザー・インタフェース(UI)に組み込みたい場合、Saleceforce.comのツールセット「VisualForce」を使うという選択肢もあるが、UIのレイヤを完全に除去してAdobeの技術を組み込むこともできる。
Salesforce.comは、以前から「Force.comこそ完全な企業向けアプリケーション開発プラットフォームである」と強調しており、Adobeとの提携後もその主張を変える気配はない。
RIA市場では、Microsoftが「Silverlight」を投入し、Adobeに挑戦するという構図になっている。
米国Redmonkのアナリスト、マイケル・コート(Michael Cote)氏は、Silverlightが存在感を増す中で、Salesforce.comがFlash技術との結びつきを強めようとしているのは理解できると指摘する。「Adobeには長い実績があり、Flashは現在もこの分野をリードしている」(コート氏)。
だがコート氏は、「Microsoftが全力で追いつこうとしており、差が急速に縮まりつつあるのも事実だ」とも付け加えている。
(Chris Kanaracus/IDG News Serviceボストン支局)
























