マイクロソフト、「Dynamics CRM」新版を発表――競合SaaS移行キャンペーンを実施
「Salesforce」「Oracle CRM on Demand」の既存ユーザーに照準米国Microsoftは11月3日、SaaS(Software as a Service)型CRMサービス「Dynamics CRM Online」のアップデートを発表した。それに伴い、「Salesforce」と「Oracle CRM on Demand」の顧客を獲得するため、新たな移行促進策を実施する。これは、12カ月間のDynamics CRM Online利用契約を結んだユーザーに6カ月間の無料アクセスという特典を与えるものだ。
MicrosoftのDynamics CRM担当ゼネラル・マネジャー、ブラッド・ウィルソン(Brad Wilson)氏は、CRM Onlineについて、機能面で競合サービスに引けを取らず、料金もおよそ35%安いと述べている。CRM OnlineのProfessional Editionは1ユーザーあたり月額44ドルで利用できるが、SalesforceのProfessionalは、1ユーザーあたり月額65ドル、Oracle CRM on Demandは70ドルからとなっている。
6カ月間の無料アクセス・サービスは今年末から開始される。調査会社Altimeter Groupのパートナー、レイ・ワン(Ray Wang)氏は、6カ月あればアプリケーションが自社の事業に適しているかどうか判断できるが、CRM Onlineへのスムーズな移行を難しくしている要因もあると語っている。
そうした要因の1つが、OracleやSalesforce.comが顧客と結んでいる1年間有効の契約である。ワン氏は、6カ月の試用期間が過ぎても、契約の有効期間が残っている可能性があると指摘する。契約に中途解約を認める条項が含まれていたとしても、残りの契約期間分の料金が戻ってくる可能性は低い。「できれば、月ごとの契約にしておくのが望ましい。これを機に契約を見直してみるのもよいだろう」と同氏。
とはいえ、全体的に見れば、競争の激化で恩恵を被るのはユーザーである。11月2日にはMicrosoftは、「Business Productivity Online Suite」の値下げを発表している。世界的な景気後退の影響で販売が低迷するなか、SaaSベンダー各社が料金の値下げを繰り返しており、Microsoftもこうした動きに追随した格好だ。
Salesforce.comも、ローエンドのエディションであるContact Manager EdirtionとGroup Editionの1ユーザーあたりの月額利用料金を、それぞれ9ドルから5ドル、35ドルから25ドルへと引き下げている。
CRM Onlineの新バージョンでは、加入契約が大幅に簡素化され、クレジットカード情報の入力が不要になった(電子メール・アドレスは必要)。ユーザーは簡単な登録手続きを済ませるだけで、Outlookクライアントやブラウザ・ベースのインタフェースから無料の試用版を使うことができる。
試用版の有効期限は30日間で、サンプル・データに加え、セットアップやメンテナンスの情報を提供するヘルプ・ツールも用意されている。また、データ・インポート・ウィザードが改良されたほか、携帯電話からのアクセス機能も追加料金なしでサポートする。ウィルソン氏は、「CRMシステムを使っていないユーザーでも簡単に利用できるようにしたいと考えている」と語っている。
(Chris Kanaracus/IDG News Service ボストン支局)



























