「Wisdom of “Crowds”こそクラウドの本質」――セールスフォース宇陀社長
同社が考える“真のクラウド”のメリットを聴衆に訴求12月8日、SaaS/クラウド・コンファレンス「SaaS World / Tokyo 2009」においてセールスフォース・ドットコム代表取締役社長で米Salesforce.comの上席副社長も務める宇陀栄次氏が基調講演を行った。
登壇した宇陀氏は、同社が開発に協力した「エコポイント申請システム」の話題から講演を始めた。宇陀氏によれば、セールスフォースが経済産業省からこのシステムの話を持ちかけられたのが5月28日。その後、同社はわずか3週間で開発を完了し、経済産業省はエコポイントのWebサイト上で6月より運営を開始した。
また、山梨県甲府市に納入した定額給付金支給管理システムは、3日間の開発の後、担当者と電話やメールで甲府市の要望を聞きながら改修して約2週間で完成した。このほか、2万4,000局の郵便局で7万ユーザーが利用するシステムは3カ月で導入した。もちろん、これらの案件では、同社のクラウド開発プラットフォーム「Force.com」が活用されている。
「仮に郵便局が同様の機能を持つオンプレミス・システムを採用したとしよう。この場合、1か月の稼働日が25日で1日1局のペースで導入作業を行うとして計算すると、全2万4,000局で利用できるようになるのに100年近くも要することになる」と宇陀氏。クラウドがもたらす開発期間の大幅な短縮というメリットをあらためて強調した。
日ごろからセールスフォースは、「システムの開発・運用に要する時間やコストを最小化し、その分をイノベーションのために割り当てるべき」と主張している。宇陀氏も講演で、「クラウド・コンピューティングで重要なのはテクノロジーではない。それを活用してどのようなビジネスを展開するかだ」と同様の主張を訴えた。
また、宇陀氏は、“Cloud Computing”をもじって“Crowd(群集) Computing”と言う人がいると述べたうえで、この言葉こそ同社のサービスの特徴を端的に表現していると語った。「われわれは、ユーザーから膨大なフィードバックを受けてサービスを洗練させてきた。まさに“Wisdom of Crowds”(集合知)を最大限に生かしてきたのだ」(同氏)
実際にセールスフォースでは、ユーザーからのフィードバックを受ける仕組みを持つ「IdeaExchange」というサイトを用意しており、そこで得られた意見を取り入れて「Salesforce CRM」のバージョンアップを行ってきた。
ちなみに、この仕組みは「Salesforce CRM Ideas」という名称でサービス化されており、米国のDellやStarbucks Coffeeが製品/サービスの改善や新商品の開発に活かしてきたほか、オバマ大統領が自分のサイトに採用したことでも知られている。また、経済産業省が11月まで開設していた「電子経済産業省アイディアボックス」も同サービスを使ったものだ。
この仕組みで新機能を取り入れながら、セールスフォースはSalesforce CRMを年3回のペースでバージョンアップしてきた。1回のバージョンアップで、100程度の新機能が追加されるとのことだ。
「月額従量課金制でオンライン・サービスを提供するだけでクラウドと称することもできる。だが、実際に運用するのはそう簡単なことではない。1日で2億のトランザクションがあるなか、トラブルを発生させずにを数時間でバージョンアップ行うのは非常に大変なこと。表面的に簡単に見えるほど、高度な技術力を要するのだ」(宇陀氏)
(Computerworld.jp)



























