セールスフォース、オンデマンド・アプリのカスタマイズを可能にする「Apex」を発表
米国セールスフォース・ドットコムは10月9日、同社のビジネスにおける第3の柱となる「Apex」プログラミング言語とその開発プラットフォームを、サンフランシスコで開催されたユーザー・コンファレンス「Dreamforce '06」で発表した。
セールスフォースのアプリケーション担当シニア・バイスプレジデント、ジョージ・フー氏によると、Apexは、Javaライクなプログラミング言語で、同一のサーバ上で複数ユーザーが利用するアプリケーションを稼働させる“マルチテナント・アプリケーション”の開発向けに設計されたものだという。これに対してJavaは、異なるサーバ上でユーザー個別のアプリケーションをホスティングする“シングルテナント・アプリケーション”の開発に適している。
Apexを使えば、同社のホステッドCRMアプリケーションを、ユーザー側でカスタマイズすることが可能になる。また、独自にコードを開発し、セールスフォースが提供する機能を自分たちのニーズに適した機能と置き換えることも可能になる。すでにセールスフォースでは、ホステッドCRMの開発に利用されており、ホステッドCRMアプリケーションやAppExchangeネットワークと並び、同社の戦略における「第3の重要な柱」と位置づけられている。
生命保険、年金保険、資産管理などのサービスを提供している米国ザ・フェニックス・カンパニーズは、2年半前からセールスフォースの顧客になっている。同社では、販売部門が210ユーザーのオンデマンド・アプリケーションを使って生命保険の販売チャネルを管理しているほか、マーケティング部門と上級税法部門にも若干のユーザーがいる。
フェニックスの生命保険技術戦略担当ディレクター、ジョン・ケイン氏は、メールによるインタビューで、「Apexは、当社のアプリケーション開発に大きな変化をもたらすと確信している」と述べた。現在同社が使っているオンデマンド・アプリケーションをソースコードで見ると、ビジネス・ロジックの処理といったアプリケーション本来の目的で利用されているのは、およそ20%にすぎない。残りの80%は、ミドルウェア接続やデータベース・キャッシングといったインフラ面の問題を処理するために利用されている。
ケイン氏は、「ソースコードの大部分は、ビジネスとはまったく無関係だ。こうしたソースコードを書き、維持する作業は、純粋な間接費である」と指摘する。同氏は、この20%のソースコードのすべてをApexが実質的に処理できるようになり、その作業に費やされていたリソースを、直接ビジネスに関係がある用途に割り当てられるようになると、Apexに期待を寄せる。
加えてケイン氏は、Apexがセールスフォースの「最も魅力的な製品」であると評価する。「Apexの提供によって、われわれユーザーは、CRMをはじめとするセールスフォースのアプリケーションをゼロから開発し、同社のサーバ上で稼働させることができるようになる」(同氏)
なお、フー氏によると、Apexの価格と提供形態は未定だという。しかし、今年第4四半期の「Salesforce Winter '07」で予定されているCRMアプリケーションの次期メジャー・リリースの登場に合わせてApexプラットフォームが発表され、Apexプログラミング言語は、2007年上半期に出荷されると見られている。
(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)
























