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ヤフー、「Yahoo Photos」を休止し「Flickr」に注力

サービス内容の重複解消に向け
(2007年05月07日)

 米国ヤフーは5月4日、「Yahoo Photos」サービスを休止し、人気の高い写真共有サイト「Flickr」に注力していくことを明らかにした。サービス内容の重複を避けるのが目的だ。ヤフーに買収されて2年あまりが経過したFlickrは、インターネットの「Web 2.0」革命を先導する存在として広く認知されている。

 ヤフーの広報担当者は電子メールによる声明の中で、「人々が写真を扱う方法は変わりつつあり、これに合わせてわれわれも注力する分野を変更することを決めた。もともと思い出を残す1つの手段であったデジタル写真撮影は、今や人々の交流と交遊を促す社会的な活動へ進化しようとしている」と述べている。

 今回のヤフーの決断は、これまでの経緯を踏まえれば特に驚くべきものではない。同社は2006年12月、取り組みの焦点を絞り込む目的で大規模な体制改変を実施したが、この改変の数週間前に、同社の体制を痛烈に批判するある社内メモが流出した。

 そのメモには、ヤフーは膨大なビジネス・チャンスに対し、薄く「ピーナッツ・バター」を塗るかのような表層的戦略を捨て、中核的な分野に注力すべきだと書かれており、重複するサービスの例としてYahoo PhotosやFlickrの名が挙げられていた。

 つい最近まで、ヤフーの幹部は、両サービスが対象とするユーザーのタイプは異なっており、これらを共存させることに何ら問題はないと公言してきた。

 Flickrの共同創立者でゼネラル・マネジャーでもあるスチュワート・バターフィールド氏は今年3月、IDG News Serviceの取材に応じ、「FlickrとYahoo Photosは、ユーザーのオンライン上での行動パターンに根本的な違いがある」と説明していた。

 「ユーザーの年齢層は、両サービスともにほぼ同じだが、異なるのは、自分の生活をオンライン上で他者と共有すること、あるいはもっと単純にインターネットと関わり合うことに対する感じ方だ。Flickrユーザーのほうが、相互交流やインターネットのコミュニティに大きな関心を持っている」(バターフィールド氏)

 Yahoo Photosユーザーは、不特定多数の人々ではなく、友人や家族の輪の中で写真を共有したいと考える傾向が強い。同サービスは2006年半ばにメジャー・アップグレードされ、ユーザー・インタフェース上でドラッグ&ドロップ機能を利用したり、写真に詳細な説明やコメントのタグを付けたりすることが可能になった。

 一方、2004年の時点ですでに共有機能およびタグ付け機能を持っていたFlickrは、またたく間にWeb 2.0時代の寵児となり、大いにもてはやされた。Web 2.0サイトとは、ユーザーの交流、貢献、参加を喚起するコミュニティ志向のサイトを指す。

 Flickrはオンライン写真サイトに革命をもたらし、今もなお同分野におけるイノベーション・リーダーと認識されている。新興インターネット企業の間で、最後の母音を省略して「r」で終わる社名を付けるのが流行したのも、Flickrが起源ではないかという見方もあるほどだ。

 ヤフーは2000年にYahoo Photosサービスを開始し、2005年にFlickrを取得した。人気面や技術面ではFlickrに軍配が上がるとされるが、コムスコア・ネットワークスの調べでは、ユニーク・ビジター数はFlickrの2,840万をYahoo Photosの3,110万が上回っている。ちなみに、Flickrの登録会員数はおよそ800万、所蔵写真点数は4億8,500万である。

 今回の発表に対するYahoo Photosユーザーの反応はまだ不明だ。ヤフーは同サービスの提供を向こう3カ月は継続し、Flickrをはじめ、「Shutterfly」「Kodak Gallery」「Snapfish」「Photobucket」などサードパーティ・サービスへの移行を支援していく。Flickrを選んだユーザーは、その特典として有料会員向けサービスを3カ月間無料で体験できる。

(ホアン・カルロス・ペレス/IDG News Service マイアミ支局)

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