Second Lifeへの進出は慎重に――ガートナーが企業に提言
「潜在リスクと自社が置かれる状況を客観的に評価すべき」このところ、「Second Life」などの仮想世界に企業が参加する動きが目立っている。だが、ブランドと評判を大事にする企業は仮想世界への進出を慎重に進めなければならない。米国の調査会社ガートナーは8月9日、そうした提言を盛り込んだリポートを発表した。
仮想世界で得られるコラボレーションとコミュニケーションのチャンスは無視すべきではないが、そこに参加する企業は潜在的リスクに十分な注意を払うべきだというのが、ガートナーの見解だ。「仮想世界での企業活動を計画する際は、リスクを認識し、それに合理的かつ客観的な分析を加え、自社が置かれることになる状況を客観的に評価しなければならない。そうすれば、リスクと、しばしば漠然としたメリットとを比較検討することができるだろう」
ガートナーのアナリストであるスティーブ・プレンティス氏は、企業が仮想世界に進出する前に検討すべき潜在的リスクとして、ITに関連するセキュリティ・リスクや、機密保持上の問題などを挙げている。このような危険があることから、ガートナーは企業に対し、自社のファイアウォール内でプライベートな仮想世界をホスティングすることを勧めている。
ITセキュリティ・リスクは、仮想世界から企業のデスクトップPCにダウンロードされた未検証のアプリケーションによって顕在化する可能性がある。そうしたアプリケーションが他よりも危険であるという明らかな証拠はないが、更新の頻度が高く管理しにくいとガートナーは述べている。
また、仮想世界では多くの人がアバター(仮想世界での自分の分身)を複数使っている。そのため、個々のアバターの活動が、その作成者の本当の意思を反映しているのかどうかを確認するのは至難の業だと、ガートナーは指摘する。
「検証可能なアイデンティティ制御やアクセス管理の機能がないことは、不特定多数がアクセスするパブリックな仮想世界の大きな欠陥となっている。これは、仮想世界を社内コラボレーションに利用する場合の重大なネックでもある」(ガートナー)
さらにガートナーは、仮想世界の安全性に疑問を呈し、機密情報を含む対話を行うのは禁物だと警鐘を鳴らす。さらに、そうした電子対話が、規制に基づく記録保存の対象になる可能性も示唆した。
しかし、その一方でガートナーは、仮想世界の潜在的メリットを前向きに検討することを勧めている。仮想世界の導入段階では従業員の生産性が落ちることも予想されるが、それを理由に仮想世界の潜在的メリットを放棄するのは得策ではないからだ。
「生産性の問題だけにとらわれて、初期段階を越えた後でメリットが得られる可能性を閉ざしてはならない。企業側は、偏見のない客観的な視点を保ち、試験利用の結果を慎重に評価して、仮想世界の利用と価値について、早まった不適切な意思決定を避けなければならない」(ガートナー)
(ヘザー・ヘイブンステイン/Computerworld オンライン米国版)



























