AMD、製造部門の分離を決定――新会社「Foundry Company」を設立
アラブ系ファンドの出資を受け負債整理を図る米国AMDは10月7日、チップ製造部門と設計部門を切り離し、分社化すると発表した。アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビを拠点とする政府系ファンド2社が、チップ製造を手がける合弁会社新設のための資金を投入するという。AMDは分社化により、プロセッサ市場で独占的立場にあるライバル米国Intelと競合するための資源を得ることを期待している。
アブダビ首長国の政府系ファンドであるAdvanced Technology Investment Company(ATIC)は、チップ製造部門の大部分を買い取り、新会社「The Foundry Company」(仮称)を設立する。今後5年間にわたり追加投資を行い、米国ニューヨーク州に新たなチップ製造工場を設立するほか、ドイツ・ドレスデンにあるAMDの製造工場2件のうちの1件をアップグレードする予定という。The Foundry Co.の本社は米国を拠点とし、他社向けにチップのOEM製造も行う見通しだ。
ATICは14億ドルを直接The Foundry Co.に投資し、さらにAMDに対しても7億ドルを支払う。一方、AMDは知的財産権およびドレスデンの製造工場を新会社に移行する。新規設立会社の55.6%はATICが、残り44.4%はAMDが保有し、取締役会メンバーは双方が半数ずつを占めることになる。また、The Foundry Co.はさらにAMDの負債約12億ドルを引き継ぐという。
今後5年間でATICは、ドレスデン製造工場の再開発およびニューヨーク新工場設立のため、36億ドルから60億ドルを投入する見通しだ。
同時に、アブダビ首長国の政府系ファンドであるMubadala Developmentは3億1,400万ドルを出資してAMD株の一部を買い取る。同社は昨年11月、6億2,200万ドルでAMD株の8.1%を取得しており、今回の追加投資で合計19.3%を保有することになる。
現在AMD製造部門のシニア・バイスプレジデントであるダグ・グロース(Doug Grose)氏は現職を離れ、The Foundry Co.のCEOに就任する。また、AMD会長のヘクター・ルイズ(Hector Ruiz)氏も、チップ製造部門の会長となる予定だ。AMDは今後、今年7月に社長兼CEOに就任したダーク・マイヤー(Dirk Meyer)氏が指揮を執ることになる。
今後、対米外国投資委員会(CFIUS)を含む当局の認可および株主からの承認を受け、取り引きは来年初頭に完了する見通しだ。
AMDはここのところ「Asset light/Asset Smart」(資産の軽減・整理)という戦略の下、負債の大きい製造部門の一部を売却し、チップの開発・設計に注力することを目指していた。
IntelとAMDは共に製造工場を維持しているが、自社工場を持たないファブレス半導体企業や、製造を専門に行うファウンドリ企業は、チップ製造業界でその存在を確立している。例えば、ファブレス企業にはモバイル機器や組み込み機器用のプロセッサを設計する英国ARM、またファウンドリ企業には台湾のTSMC(台湾積体電路製造)などがある。
なお、AMDは2008年第3四半期の決算を今月16日の株式市場取引終了後に発表する予定だ。AMDは過去7四半期連続で赤字を計上している。
(Peter Sayer/IDG News Serviceパリ支局)



























