AMDの「Cool'n'Quiet」がもたらす省電力効果
無負荷時で10Wの電力消費を抑制、オフィスのグリーンIT化を支援AMDプロセッサには、消費電力を抑制するための様々なアーキテクチャが搭載されているが、実際にそれらの機能はどの程度の効力を発揮するのか。その効果を検証するため、今回、ユニアデックスによってAMDプロセッサの消費電力に関するベンチマーク・テストが実施された。ベンチマーク・テストの結果からは、AMD製プロセッサが搭載する「Cool'n'Quiet」による省電力効果が具体的な数値として実証された。ここではベンチマーク・テストの結果に基づきながら、AMDプロセッサがもたらす省電力効果について紹介していく。
【1】Cool'n'Quietによる無負荷時の消費電力の違い
【解説】
AMD AthlonTM X2 デュアルコアプロセッサ5200を搭載したWindows Vista PC(日本語環境)を用いて、無負荷時の消費電力に関する測定を実施した。測定にあたっては、コントロールパネルの「電源オプション」の「電源設定」を、途中で「高パフォーマンス」から「省電力」に設定変更した。すると、Cool'n'Quietにより、無負荷時で60Wだった消費電力量が、50Wまで減少したのを確認できた。
なお、再び「電源オプション」の設定を元に戻したところ、消費電力量は60Wに上昇した。
この結果により、Cool'n'Quietが、PCの消費電力抑制に多大な効果を挙げていることが証明された。
【テスト環境】
- 使用プロセッサ
- AMD Athlon X2 デュアルコアプロセッサ5200
- PC環境
- Windows Vista(日本語環境)
【2】Cool'n'Quietによる消費電力・積算電力量の比較
【解説】
AMD Athlon X2 デュアルコアプロセッサ5400を搭載したWindows XP SP2 PCにおいて、PCMark05を使用して消費電力に関するベンチマーク・テストを実施した。「電源オプション」を「最小の電源管理」に設定したところ、Cool'n'Quietが稼働。グラフを見ると、ベンチマーク・テストの最中に消費電力が小刻みに上下しているのが見て取れる。
なお、PCMark05による最後の2つのサブテストでは、消費電力が下がっていない。これは、今回のサブテストにおいて、CPUが100%稼働する必要があったためである。
また、「最小の電源管理」の場合、テストの終了時間が「自宅または会社のデスク」と比べてわずかに長くなっているものの、テストに要したトータルでの電力量(積算電力量)は少なくなっている。
【テスト環境】
- 使用プロセッサ
- AMD Athlon X2 デュアルコアプロセッサ5400
- PC環境
- Windows XP(日本語環境)
- テスト・ツール
- Futuremark PCMark05
グリーンIT化に不可欠な消費電力測定を実施
ユニアデックスのベンチマーク・サービス
ユニアデックスは、PCやサーバの消費電力に着目したベンチマーク・サービスの提供を開始した。同社では、従来から汎用機や大規模環境向けサーバのパフォーマンスを測定するためのベンチマーク・サービスを提供してきたが、今回、グリーンITを念頭に置いた消費電力測定メニューも追加。パフォーマンス・テストに加え、企業の環境対策ニーズに応えるサービス展開を目指す。
第三者の立場から中立的な
ベンチマーク・サービスを提供
| ユニアデックス プロダクト事業グループ ハードウェアプロダクト統括部 CMPサーバサポート部 システムマネジメントグループ担当課長の福島豊秋氏(左)と、プロダクト事業グループ ハードウェアプロダクト統括部 テクニカルサポート室の蛭本邦夫氏(ユニアデックス社内の検証ラボにて) |
従来“ベンチマーク・テスト”といえば、IT機器の処理能力を測定するものが中心だった。一方、“グリーンIT”というキーワードが世に浸透するにつれ、IT機器の消費電力に対する企業の関心も高まりつつある。そうしたニーズに呼応し、ユニアデックスではPCやサーバの「ベンチマーク」と「消費電力測定」の2つのメニューを用意した「ベンチマーク・サービス」を提供している。
同社では以前から汎用機やWindowsベースの大規模サーバ・システムのトランザクション処理をはじめとしたベンチマーク・テストを実施してきた。そんな同社がPC/サーバのベンチマーク・サービスも手掛けるようになったのは、日本AMDより「第三者の立場からPC/サーバ向けプロセッサのパフォーマンスや消費電力を検証してほしい」との依頼を受けたのがきっかけ。
ユニアデックス プロダクト事業グループ ハードウェアプロダクト統括部 CMPサーバサポート部 システムマネジメントグループで担当課長を務める福島豊秋氏は、「過去の経験やノウハウを生かせるとともに、ベンチマーク・サービスの対象をPC/サーバにまで広げていくことで、新たなビジネスにつなげられると考えました」と、サービスを開始した経緯を説明する。
無負荷/負荷時の電力量だけでなく
累積での消費電力測定を実現
ユニアデックスのベンチマーク・サービスの中でも、他社に無い特色を有しているのが消費電力測定だ。単に無負荷時/負荷時の電力を測るだけでなく、独自開発ツール等の活用により、テスト時間内における一連の消費電力の推移や、累積の電力量も測定・記録。実際のオフィス環境に即した消費電力量の測定と算出を実現している。
今回ユニアデックスでは、AMDプロセッサを搭載したWindows XP/Vista PCを対象に、FuturemarkのPCMark05、PCMark Vantageや、BAPCoのSYSMark 2004 SE、SYSMark 2007 Previewといったツールでベンチマーク・テストを実施。様々な角度から、パフォーマンス試験や消費電力測定を行った。
その結果、消費電力面におけるAMD プロセッサのメリットが幾つも確認された。例えば、CPUコアに供給するクロック周波数を負荷に応じてコアごとにダイナミックに切り替えることにより、使われていないコアの消費電力を最小限にする「Cool'n'Quiet」を用いることで、無負荷時の消費電力を大幅に抑制できることが実証された。
プロダクト事業グループ ハードウェアプロダクト統括部 テクニカルサポート室の蛭本邦夫氏は、「社員がオフィスに居ても、PCを操作していないことがしばしばあります。そうした無負荷時、つまり、CPUが動いていない状態の時に電力消費を抑えられれば、オフィスPC全体の電力量が低減できるようになります。
Cool'n'Quietのような機能を利用すれば、このようなきめ細かな電源管理が行えるようになります」と説明する。当然ながら、オフィスにあるPCの台数が増えれば増えるほど、その省電力効果はより多大なものとなるだろう。
福島氏は、「2008年はグリーンIT元年と言われており、企業においても単に電力コストを下げるだけでなく、地球温暖化を阻止するための取り組みを推進していかなければならないという気運が高まりつつあります。そうした動向を捉え、今後もグリーンITを念頭に置いた多彩な消費電力測定メニューを展開していく計画です。
無論、第三者による中立的な検証機関として、AMD製品をはじめ、国内外の様々なPCベンダーの製品や他プロセッサー・ベンダーの製品についても、各社と協力しながらベンチマーク・テストを実施し、その情報を広く公開していければと考えています」と、今後のサービス拡充に意欲を見せている。



























