スパコン「京」が世界性能ランキングで首位を維持
2位の中国「天河一号A」の4倍に当たる10.51PFLOPSを達成
日本の理化学研究所と富士通が共同開発しているスーパーコンピュータ「京(けい)」が、11月14日に発表された世界のスーパーコンピュータの性能ランキング「TOP500」で首位の座を維持した。京は、同ランキングの対象マシンとして初めて10PFLOPS(ペタフロップス、毎秒1,000兆回の浮動小数点演算数)を超える性能を実現している。
京は10月、ベンチマーク・プログラム「LINPACK」によるテストで10.51PFLOPS(毎秒1.051京回=10,510兆回の浮動小数点演算数)を達成。この性能は、TOP500で2位の中国「天河一号A(Tianhe-1A)」(2.57PFLOPS)の約4倍に当たる。米国のスーパーコンピュータで最速のオークリッジ国立研究所(ORNL)にある米国Crayの「Cray XT5-HE」(Jaguar)は、1.75PFLOPSで3位となった。
米国IBMの「Roadrunner」が1PFLOPSを初めて達成したのは2008年6月であり、スーパーコンピュータの性能がその10倍に達するまでに3年余りかかったことになる。TOP500ランキングの作成者の一人であるエリック・ストロマイヤー(Erich Strohmaier)氏は2008年6月当時、1993年にこのランキングの作成開始に携わったときには、PFLOPSクラスのマシンが登場するとは思いも寄らなかったと述べていた。
「15年前は、上位500台のシステムがすべて1TFLOPS(テラフロップス、毎秒1兆回の浮動小数点演算数)の性能を持つようになるかどうかが大きな問題だった」(ストロマイヤー氏)
日本の京の主要部分は、864の筐体に収められた8万8,128個の「SPARC64 VIIIfx」CPU。SPARC64 VIIIfxは1CPU当たり8コアを搭載しており、総コア数は70万5,024個だ。
TOP500は毎年6月と11月に発表されており、京が初めて首位を獲得した今年6月時点では、CPU数は6万8,544個、総コア数は54万8,352個で、性能値は8.16PFLOPSだった。この時点では、筐体すべての搬入、据え付けが完了していなかったが、今回はこれらが完了した最終構成となっている。
京は現在、システム・ソフトウェアの整備、調整が行われており、2012年6月に完成し、11月から運用が開始される予定となっている。気象モデリング、医薬品開発、ナノチューブやナノワイヤといった次世代半導体材料の解析など、幅広い用途に利用される見込みだ。
京の総消費電力は12.66MWで、TOP500システムの中で最も多い。だが、京は1ワット当たりの性能が830MFLOPS(メガフロップス、毎秒100万回の浮動小数点演算数)と高く、電力効率が最も良いシステムの部類に入る。
TOP500の10位までのシステムを見ると、日本と中国がそれぞれ2台、米国が5台、フランスが1台。これら10台の内訳は前回と同じで、順位が入れ代わっただけだった。こうしたケースは同ランキングの開始以来初めて。
国別では中国の躍進が目立つ。TOP500システムの中で中国は75台を占め、ランキング作成者は、中国は、日本や英国、フランス、ドイツを上回り、米国に次いで第2のHPC利用大国だと述べている。
一方、TOP500システムのうち76.8%が米国Intel製プロセッサを搭載しているが、この割合は前回の77.4%から微減となっている。また、63台が米国AMDのOpteronプロセッサを、49台がIBMのPOWERプロセッサを搭載している。
京は、アクセラレータとしてグラフィックス・プロセッサを搭載していないが、TOP500システムの39台が搭載しており(前回は17台)、それらの大部分はNVIDIAチップを採用している。
なお、米国シアトルで今週開催中のハイパフォーマンス・コンピューティングに関する 国際会議「SC11」(International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage and Analysis)の11月15日(現地時間)のセッションで、TOP500の集計結果に関する解説が行われる。
(James Niccolai/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)



























