実態調査に見るITエンジニアの“現実”と“仕事観”――3人に1人が転職願望|キャリアアップ|トピックス|Computerworld

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【解説】

実態調査に見るITエンジニアの“現実”と“仕事観”――3人に1人が転職願望

人材育成のカギは労働環境の改善と社外交流の推進にあり
(2008年06月10日)

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)は昨年、ITエンジニアの仕事とキャリアに関する2つの調査を実施した。1つは20代から40代のITエンジニアを対象としたインターネットによるアンケート調査、もう1つは若くて優秀な「天才プログラマー」6人への個別インタビュー調査である。本稿では、これらの調査結果を基に、日本のITエンジニアが置かれている仕事環境の実態とキャリア意識を明らかにするとともに、優秀な人材を育成するために企業や業界がどのような取り組みを進めればよいのか、その方策を探ってみたい。

「13歳のハローワーク」が教えるSE像

 小説家の村上龍が青少年向けに514種の職業を解説した『13歳のハローワーク』(2003年、幻冬舎)は120万部を超えるベストセラーとなった。同書は、多くの小中学校で副読本として生徒に配布されたという。本の出版から5年経った現在では、「13歳のハローワーク公式サイト」が運営され、インターネットで本の内容を読むこともできる。

 ところが、なぜかこの本にはプログラマーやシステム・エンジニア(SE)を中心とするITエンジニアの職業解説が入っていない。その代わり、付録として村上龍がインターネット分野の起業家として著名な伊藤穣一氏にインタビューした記事が掲載されている。以下、インタビュー記事の中から伊藤氏の発言を抜粋・引用させていただく。

 「プログラムが書けるというのは、体力とか、腕力に似ています。ほかには何もできなくても、プログラムさえ書ければ、とりあえず今は仕事はあります。しかし、今でもすでに、ほとんどのSEの仕事というのは、一日中同じ形に積み木を積み重ねているような単純労働です。もちろんそれとは別に、天才的なSEもいるわけですが、それは体力、腕力でいえばオリンピック選手になるのと同じぐらいの才能と力が必要なんです」

 「例えば、SEという職業ですが、新しい技術が次々と生まれて、ソフトも変化していくなかで、わずかな例外を除いて、最終的に不要になるかもしれません。それがわかっていながら、SEをどんどん育てている、というようなところがあります。(…中略…)ITも、労働コストの面で、中国やインドに、もうかなわないわけです。だから、SEのような単純労働ではなく、本当はもっとクリエイティブな部分に、子どもや若者の興味を向けるようにしないといけないと思います」

 伊藤氏は、ごく一部のITエンジニアは非常に創造的で優れた才能を発揮するが、クリエイティブな仕事の多くはむしろITを手段として使いこなす職業にあると結論づけている。

 このような見方に対して、IT業界では賛否が真二つに分かれている。しかし、この本とは直接関係ないものの、近年ITエンジニアの職場が長時間労働などのいわゆる「3K」の状態にあるというイメージが広まっている現実を否定することはできない。大学関係者は情報工学を志望する学生の減少に、IT業界関係者はIT産業への就職を希望する学生の減少に、それぞれ頭を悩ませている。

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