Adobe Flexによる直感的なUIで、
操作方法の問い合わせ数は“ほぼゼロ”
マネックス証券が2010年10月から無料提供している「MONEX VISION β」は、最新の金融工学に基づいて顧客の資産状況を分析し、バランスのとれた資産運用のアドバイスを行うオンライン資産設計ツールだ。視覚的、直感的に資産状況を把握できるわかりやすさと充実した機能が評価され、すでにユーザー数は3万5,000を超える。そして、マネックス証券が同ツールの開発にあたって採用したのが、アドビシステムズの「Adobe Flex」フレームワークであった。
“わかりやすい”“使いやすい”UIで
ユーザー獲得のチャンスをつかむ
株式や投資信託など顧客の保有資産を詳細に分析/分類したうえで、最新の金融工学に基づき将来のリターン予測や追加投資提案を行う「MONEX VISION β」。マネックス証券に取引口座を持つ顧客はおよそ120万人いるが、その中心となる中長期的な資産運用を考える顧客のニーズに応えるべく開発されたものだ。
マネックス証券の先進サービス企画室でマネジャーを務める堀内健后氏は、MONEX VISION βがリリース後8カ月間で3万5,000人以上のユーザーを集めたことについて、「これほどのユーザーを集めたのは期待以上。使いやすさを追求しつつ、幾つもの高度な機能を盛り込むことができたからでは」と笑顔を見せる。
MONEX VISION βを提供する狙いの1つに、ツール利用をきっかけとした新規顧客の開拓がある。ネット専業で実店舗を持たない同社にとって、ネット上での接触機会は新たな顧客獲得に直結している。顧客が他の証券会社や銀行に保有している資産のデータも取り込めるよう設計されているのもそのためだが、何よりも初めて触れるユーザーにとって“わかりやすい”“使いやすい”ツールであることを重視したという。
マネックス証券 先進サービス企画室の山口祐樹氏は、「ツールの性格上、ユーザーが少しでも不満を感じると継続利用は期待しにくい。いかにストレスなく利用していただけるかが、開発における一番の課題だった」と振り返る。MONEX VISION βは、正式リリースに先駆けて2度のテスト公開を行ったが、多数の機能が盛り込まれているために「ユーザーが気づきにくい機能があることもわかった」(山口氏)。そこで、ユーザーの声に基づきユーザー・インタフェース(UI)を改善するとともに、初めて利用するユーザーに各機能をナビゲートする「使い方モード」も追加された。
「UIを作り込んだおかげで、ユーザーからツールの使い方についてのお問い合わせをいただくことはほとんどない。サポートセンターの負担が減り、ランニング・コストの削減につながっている」(山口氏)
Flexフレームワークの採用で
マルチプラットフォーム展開を目指す
MONEX VISION βの開発にあたって、マネックス証券はFlashアプリケーションを効率良く開発するための「Adobe Flex」フレームワークを選択した。これについて堀内氏は、ユーザーにとって“心地よい表現”が実現できることが最大の理由だと述べる。「ユーザーの満足感は、UIの何気ない表現によっても大きく左右される。そこで、MONEX VISION βには心地よいエフェクトを実現するFlashコンポーネントを幾つも採用した。他の開発フレームワークも検討したが、開発者視点のものがほとんどであり、ユーザー本位の演出は到底実現できなかった」(堀内氏)。
また、MONEX VISION βは同社のデータベースからだけではなく、投資信託の資産クラス分類など外部のデータソースからもデータを取得し、マッシュアップして表示する。こうしたアプリケーションも容易に実現できるうえ、クライアント側で処理を行うFlashアプリケーションであるため、多機能にもかかわらずサーバ側の負荷は低く抑えられているという。
MONEX VISION βの開発チームが現在取り組んでいる課題が、「ワンソース/マルチプラットフォーム展開」である。最近ではPCだけでなくタブレットやスマートフォンでも使いたいというユーザーの声が増えており、ユーザー拡大のためにも幅広いプラットフォームへの展開が必須だからだ。
マルチプラットフォームに対応するFlexフレームワークの優位性はここでも明らかである。マネックス証券でも、今後リリース予定のAndroid版を皮切りに、すべてのプラットフォーム向けアプリケーション開発をFlexに統合し、開発の効率化と機能の高度化を図っていく考えだ。現在はネイティブ・アプリとして提供しているiPad版についても、パフォーマンスが最大4倍に向上した「Adobe AIR 2.7」が6月に登場したため、Flexへの統合を積極的に検討していきたいとしている。新たな顧客獲得に向けた同社の挑戦を、Adobe Flexが側面から支えているのだ。
「MONEX VISION βはB to Cのツールだが、インタフェースの重要性はB to B、業務アプリケーションの世界でも同じ。SFA(Sales Force Automation)やCRM(Customer Relationship Management)などの業務アプリケーションをFlexで開発すれば、業務効率向上だけでなく、アプリケーションの使い方に関する社内サポート業務が楽になるだろう。あるいは、営業担当者が顧客へのプレゼンテーションに使うツールをFlexで開発すれば、顧客をあっと言わせることもできるはずだ」(堀内氏)
問い合わせ先
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アドビ システムズ 株式会社
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