企業が業務アプリケーションを
Adobe Flexでリニューアルすべき理由
業務アプリケーション、特に長年にわたり使い続けられている業務アプリケーションは、日々の業務の中で“見えない損失”を生み出していることにお気づきだろうか。こうした損失を防ぐためのアプリケーション改修、リニューアルにはどのようなポイントがあるのか。アドビ システムズのテクニカルエバンジェリストが語る。
UIのリニューアルへの投資が有意義な理由
テクニカルエバンジェリスト
太田禎一氏
現代の企業活動を支えているのは、業務支援を目的としたさまざまなアプリケーション群である。社内向け、社外向けを問わず、ひとたびシステムがダウンしてアプリケーションが使用できなくなってしまうと、大半の企業でビジネス活動が中断し、時間的、金銭的に大きな損失が発生する。そのため、多くの企業がサーバやストレージ、ネットワークといったインフラを中心に多額の投資を行っているのはご存じのとおりだ。
だが、これとは対照的に、日々の業務の中で発生しているある「損失」にはほとんど目が向けられていないと語るのは、アドビ システムズのテクニカルエバンジェリスト、太田禎一氏である。
太田氏が指摘するのは、業務アプリケーションのユーザー・インタフェース(UI)に起因する損失だ。
「業務アプリケーションのUIは、従業員の生産性を大きく左右するポイント。それだけでなく、投資の効率性とも極めて密接な関係にある」(太田氏)
レガシーな業務アプリケーションのUIでは、1つの処理を実行するために複数の画面を遷移したり、複雑な操作が要求されたりすることがある。例えばある業務アプリケーションで、「業務処理を1回実行するごとに合計10秒のタイムロスが発生する」ものと仮定しよう。たった10秒と思われるかもしれないが、従業員が毎日10回その処理を行うならば、単純計算で、年間に従業員1人あたり7時間以上のタイムロスが発生することになる。企業全体で見れば、それこそ大規模なシステム・ダウンに匹敵するような“見えない損失”が発生しているわけだ。
「ECサイトでは、たった数秒間のタイムロスでも多くの顧客が離脱し、機会損失を生んでしまう。それは社内向けの業務アプリケーションでも同じ。社員が途中で作業をやめてしまうようなアプリケーションであれば、システムがダウンしているのと同じだとすら言える。サーバなどの拡充に充てられている投資の一部を、業務アプリケーションの見直しと改修に回したほうが、ROI(投資対効果)ははるかに高いはずだ」(太田氏)
操作性とレスポンス向上の切り札
業務アプリケーションの改修に当たっては、改修の効果を測定するための具体的な指標を定めることが不可欠だと太田氏は強調する。やみくもに改修を実施しても、その投資に見合った効果が得られたのかどうかを測定できなければ、ROIという視点から判断できないからだ。
さまざまな指標が考えられる中でも、アプリケーションの「操作性」と「レスポンス」はすべてのユーザーに影響を与えるものであり、これを改善すれば高い効果が期待できる。ここでその実例を見てみたい。
財団法人建設物価調査会では、建設工事で使われる資材/機材の品目単価や、建設機械/仮設機材の賃貸料金、土木/建築工事費などの実勢価格を調査し、データベース化して会員に提供するサービス「Web建設物価」を運営している。Webベースのアプリケーションを通じ、過去のものも含む膨大なデータから必要な価格情報だけを絞り込んで閲覧することができ、好評を得てきた。
しかしながら、会員にアンケートを行ったところ、多くの会員から「操作がわかりにくい」「レスポンスが悪い」という声が寄せられたという。
こうした声に応えるべく、同会では「UIのシンプル化」と「レスポンスの改善」の2点を指針としたアプリケーションのリニューアルに着手。そこで課題克服のために採用を決断したのが、OSやWebブラウザに依存せず、HTMLでは到底実現できない洗練された見栄えと直感的な操作性を可能にする「Adobe Flex」フレームワークであった。
アプリケーション改修の効果を、具体的な数値で示してみたい。旧バージョンでは、頻繁に閲覧する情報をブックマークする「お気に入り」への登録操作ひとつとっても最低で5回、場合によっては10回の操作が必要であり、さらに画面遷移も発生していた。だが、Adobe Flexベースで抜本的にUIを改善することにより、画面遷移なしに2回のクリックだけで操作が完了するまでにシンプル化された。
さらに、レスポンスの面でも大幅な改善が見られたという。データ検索処理でヒット件数が多い場合、以前ならば30秒から1分ほど時間がかかっていたが、リニューアル後は数秒~10秒程度にまで短縮している。
「高性能なハードウェアの導入によるレスポンス向上もさることながら、UIのシンプル化でユーザーが操作に迷わなくなり、また操作手順そのものも減ったことにより、ユーザーが目的を達成するまでの時間は確実に短縮されている」(同会のコメント)
アドビの太田氏は、レスポンス改善、操作性向上といった直接的な指標だけでなく、処理途中での離脱率、従業員のモチベーション、社内サポートや教育/トレーニングコスト、異なるOSやデバイスへの対応コストなど、間接的な指標でも、リニューアルの効果を見るべきだとアドバイスする。
こうした多様な視点から見た場合に、Adobe Flexフレームワークの開発基盤としての実力はよりいっそう引き立つ。
「Flexベースのアプリケーション開発により、教育/トレーニングコストの低い、直感性にすぐれたUIが構築できる。また、開発したアプリケーションがPCだけでなく、スマートフォンやタブレットにも対応するという点も、今後は大きなメリットとなってくる」(太田氏)
最近では「Android」や「iOS」ベースのスマートフォン、タブレットをビジネスに活用しようという動きが盛んだが、Adobe Flexフレームワークで開発したアプリケーションは、こうしたモバイル・デバイスでも容易に動作する。マルチプラットフォーム/マルチデバイス時代において、アプリケーション開発にかかる時間やコストを大きく削減できる点には注目しておきたい。
リニューアルによって業務アプリケーションの生産性を改善し、企業の競争力を高める。そのとき、Adobe Flexは強力な“武器”となることは間違いない。
問い合わせ先
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