4G、BWA――モバイルのトレンドは大容量通信の方向へ
市場の急拡大により周波数帯の迅速な割り当てが必要にマイクロ波関連技術や電波利用などについての最新動向が披露される国際的な展示会/ワークショップ「MWE 2007(2007 Microwave Workshops and Exhibition)」が11月28日、パシフィコ横浜で始まった。30日まで開催されている。初日には総務省総合通信基盤局課長補佐の新田隆夫氏が基調講演を行い、モバイル通信を巡る最近のトレンドを解説した。
新田氏は、携帯電話などの移動系無線局の爆発的な増加によって、日本における2006年時点での無線局数が1億280万局に達したことに触れたうえで、「今後はこうした量的な拡大から質的な拡大へと移行していくだろう」と語った。
具体的には、モバイル通信の今後のトレンドは、「第4世代(4G)移動通信システム」や2.5GHz帯広帯域移動無線アクセス・システム「BWA(Broadband Wireless Access)」といった大容量通信の方向に向かっていくとした。モバイル端末数の増加はもとより、扱われるデータの大容量化が顕著になってきているからだ。
新田氏によると、携帯電話の加入者数は2007年7月時点で9,855万人、その約8割がIMT-2000(3G)を利用しているという。利用内容は、メール、着信音ダウンロード、カメラ機能、インターネット接続といった、音声通信以外のデータ通信が上位を占めた。これは音声通信がメインの米国などと比べて顕著に異なる日本の特徴であると同氏は指摘した。
「着メロ、着うた、ゲームなどといったモバイル・コンテンツ市場が拡大している。モバイル産業がIT産業を牽引している状況だ」(新田氏)。これを裏付けるデータの1つとして新田氏は、携帯電話およびPHS事業者の2006年における売上げが、日本の国内総生産の2%に相当する9兆2,000億円に達したと語った。
「(コンテンツの充実などにより)電波の利用ニーズは引き続き高く維持されるだろう。周波数の追加を迅速に行っていく必要がある」(新田氏)
その一環として現在進められているのが、地上放送のデジタル化に伴って生じるVHF/UHF 帯の空き周波数帯の再配分である。11月14日に総務省の電波監理審議会が出した答申によると、VHF帯は警察・消防・防災無線や移動体向けマルチメディア放送、UHF帯はITS(高度道路交通システム)における車車間通信や携帯電話などに再利用される予定という。
新田氏はまた、次世代の大容量通信を担う新規格への周波数割り当てについても紹介した。
2010年ごろのサービス開始をめどに標準化が進められている4G移動通信システムへの周波数割り当てについては、先日発表されたITU(国際電気通信連合)による2007年のWRC(世界無線通信会議)での決定事項があらためて紹介された。
WRCで決まったのは、3.4〜3.6GHz、2.3〜2.4GHz、698〜806MHz、450〜470MHzの4つの帯域をIMT(3GのIMT-2000および4GのIMT-Advancedの総称)用に確保するというもの。日本では、このうちの3.4〜3.6GHzと698〜806MHz(一部)がIMT向けに割り当てられる。また、WRCでは採択されなかったが、3.6〜4.2GHz、4.4〜4.9GHzの2帯域が日本独自のIMT用周波数として使われる見込みという。
「3.4GHz帯が採用されたことで、日本における4Gモバイル通信システムの実現に確固たる足場が築かれた。現段階では、2011年の実現が考えられる」(新田氏)。なお、4G移動通信システムでは、低速移動時で1Gbps、高速移動時でも100Mbpsの通信速度が実現するとされている。
一方、現在注目を集めているBWAについては、2,545〜2,625MHzの周波数帯の中で移動通信用の2つの30MHz帯(全国で利用)と固定通信用の10MHz帯(地域で利用)が割り当てられることになっている。
BWAとしては、WiMAX、次世代PHS、IEEE 802.20(MBTDD-WidebandとMBTDD-625kMC)などの規格が挙がっているが、総務省は、そのいずれもBWAとしての要求条件(最大伝送速度は下り20〜30Mbps、上り10Mbps、周波数利用効率は0.8bps/Hz以上など)をクリアしたとしている。
移動通信用の2つの30MHz帯は、最大2社へ割り当てられる予定であり、現在は、申請を行った4社(ウィルコム、オープンワイヤレスネットワーク、ワイヤレスブロードバンド企画、アッカ・ワイヤレス)の審査が行われている。認定が済めば、3年以内にサービスを開始し、5年以内にカバー率50%以上を達成する必要がある。新田氏は、「移動通信については事業者を年内には決定したい。また、固定通信については、年明け早々には申請の受付を開始したい」と語った。
(高山哲司/Computerworld)



























