高価な携帯電話には「価格に見合う価値」がある
もたらされる価値は「お値段以上」。気に入ったものを買えばよい景気低迷が続くなか、消費者の価格に対する目はますます厳しくなっている。携帯電話市場でも、魅力的な最新機能を搭載した高価な機種より、手ごろな価格の機種が選ばれる傾向にあるという。しかし、携帯電話によってもたらされる価値の大きさを考えると、予算の許す範囲で気に入ったものを買うのが一番の得策かもしれない。
米国Appleのスマートフォン「iPhone 3G」の価格は、従来のiPhoneよりも200ドル安くなった。米国AT&Tが高速になったデータ・サービスの料金を引き上げたため、iPhoneの値下げは相殺されてしまったが、多くの人がこの値下げを重要な進展として歓迎した。要するに、iPhone 3Gの値段は手ごろな範囲に収まっているということだ。
私は友人や家族などが、気に入った携帯電話と、それより200ドルや100ドル、さらには50ドル安いもののどちらを買うかで悩むのを見てきた。景気低迷が続くなか、できるだけ経済的な買い物をしようという消費者の意識は強まっている。
だが私は、大勢の人々が携帯電話の価格に敏感になりすぎていると思う。携帯電話は値段がいくらでも、理にかなう範囲であれば、欲しいものを買うことをお勧めしたい。
例えば、あなたが本当は400ドルのスマートフォンが欲しいのに、それほど気に入っていない200ドルの携帯電話を買って節約する気になっているとしよう。確かにその場合の出費は半額で済む。だが、自分が少し気に入っているからといって、値段が倍の携帯電話を買うことを正当化できるだろうか。以下では、それを正当化する理屈を2つ紹介しよう。
1. 携帯電話がもたらす価値の大きさは「プライスレス」
われわれはふだん携帯電話を過小評価しがちだが、最近の調査は、携帯電話がわれわれの生活の中で非常に重要なアイテムの1つと位置づけられつつあることを示している。
米国Pew Internet and American Life Projectが今年実施した調査では、多数の米国人が、携帯電話を手放すくらいなら、インターネット利用をあきらめるほうがましと考えていることがわかった。携帯電話を2年使うとして、比較のために、2年間でインターネット接続料金にいくら支払うかを考えてみよう(ここでは、あなたがあるもののために支払う金額は、あなたが考えるそのものの価値を示すという前提に立つ)。例えば、1カ月のインターネット接続料金が50ドルの場合、2年では1,200ドルだ。つまり、平均的な米国人にとって、携帯電話はそれ以上の価値があることになる。
また、英国で約1年前に行われた別の調査の結果をまとめたリポート「Mobile Life 2007」によると、英国在住者の3人に1人が、たとえ100万ポンド(約200万米ドル)を積まれても携帯電話は手放さないと答えたという。
もちろん、これは仮定の質問に対する回答結果だが、人々が携帯電話に愛着を持ち、必要性を感じ、高い価値があると考えていることは確かだ。人間行動の研究者ジャン・チップケース(Jan Chipcase)氏は、次世代技術関連のイベント「TED Conference」の講演において、そのことを雄弁に語った。世界の携帯電話ユーザーの行動を研究している同氏によると、現在、世界の携帯電話ユーザー数はおよそ30億人に達しているという。



























