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【解説】

メインストリーム市場を脅かすミニノートPCの“脅威”

予想以上の人気に戸惑うPC/CPUベンダーたち
(2008年08月13日)

台湾Asustek Computer(ASUS)が2007年に発売した「Eee PC」が火付け役となり、いまやノートPC市場の新潮流となっているミニノートPC。大手PCベンダーも相次いで同市場へ参入しているが、一方で「主力のノートPC市場を脅かすのではないか」と危惧する声も聞こえてくる。本稿では、ミニノートPCの“実力”と併せて、CPUベンダーも巻き込んだ現在の市場環境を解説していく。

ミニノートPCの台頭に戦々恐々のPCベンダー

 米国AMDは先ごろ、米国Intelが「Netbook」と呼ぶミニノートPC向けCPUを当面リリースする予定はないと明言した。ミニノートPCの出荷増がノートPCの販売数量にどの程度影響を与えるかを完全に把握しきれていないというのが、その理由である。

 一部のミニノートPCには、AMDのGeodeプロセッサが搭載されている。しかし同社は、「Bobcat」(開発コード名)という省電力アーキテクチャに基づいたCPUのリリース計画以外には、こうした製品分野に関する情報を公表していない。

 AMDのアドバンスト・マーケティング バイスプレジデント、パット・ムーアヘッド(Pat Moorhead)氏は、「当社は今のところ、この種の低価格かつ小型ノートPC向けCPUのリリース情報は発表しておらず、しばらくは市場動向を静観するつもりだ」と語った。

 「多数のミニノートPCが市場に登場し始めている。このことは、市場の拡大とともにさまざまな企業が参入してきたことを意味している。興味深いのは、ミニノートPCのカバーを外して内部を覗いてみたとPCベンダーに話すと、彼らがまるでおびえたような表情になる点だ」(ムーアヘッド氏)

 PCベンダーは、ミニノートPCの売上げが伸びることで、高性能なノートPCの売上げが落ち込むことを恐れているわけだ。

 「市場を成熟させていかなければ、ミニノートPCは、低価格だがいつまで経ってもエクスペリエンスが低いという製品にとどまってしまう。これは、消費者にとってもハードウェア・ベンダーにとっても、そして流通チャネルにとっても好ましい状況とは言えない」(ムーアヘッド氏)

 そもそもミニノートPCは、ASUSが2007年に発売したEee PCが人気の火付け役となった。その後、Intelが開発したAtomプロセッサが2008年6月にリリースされ、多くのハードウェア・ベンダーがEee PCの成功に続けと相次いで製品を投入した。


「Eee PC 1000H」(日本未発売モデル)

 そして、消費者からの需要の高まりと併せて利用可能なシステムが増えるにつれ、ミニノートPCは“小さくて安い携帯型コンピュータ”という当初の製品像から徐々に変貌しつつある。例えば、初代Eee PCの画面サイズは7インチだったが、最新モデルの一部機種では10インチにまで拡大している。OSに関しても、当初はLinuxが搭載されていたが、現在ではWindows XP搭載モデルもある。

 もともとEee PCの価格は199ドルになるはずだったが、実際には250ドル以上の価格で発売された。10インチ・ディスプレイやクロック周波数1.6GHzのAtomプロセッサ、Windows XPおよび80GBのハードディスクを搭載した上位モデル「「Eee PC 1000H」」の価格は600ドル前後であり、米国Dellの「Vostro 1000」シリーズに代表される、より高性能な一部のノートPC以上に高額になってきた。

 にもかかわらず、ミニノートPCの人気は衰えを見せない。ミニノートPC市場のパイオニアであるASUSは先週、メインストリーム市場向けノートPCの出荷台数見込みを下方修正したが、Eee PCに対する需要は相変わらず堅調だと話している。

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