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【Analysys Mason予測】

企業で固定音声回線廃止の動き、安価な携帯電話に移行へ

景気後退や携帯通話料引き下げで、固定IP電話に逆風
(2008年12月02日)

 景気後退の影響で固定音声回線の予算を減らす欧州企業が今後は増えるとのリポートを、英国の通信関連調査会社Analysys Masonが発表した。企業の多くは、固定電話回線よりも安価な携帯電話回線に注目しているという。

 この調査リポートのタイトルは「Fixed-mobile convergence in enterprise voice in Europe:forecasts 2008-2013(ヨーロッパにおける企業の音声通話に関する固定・携帯の融合:2008〜2013年予測)」。Analysys Masonは同リポートの中で、2009年の西ヨーロッパにおける企業の固定音声回線に脅威を与えるのは、金融危機の影響に伴う携帯電話への移行だと述べている。


同リポートのサンプル・ページ。リポート利用料金は1,700ポンド+付加価値税(VAT)

 Analysys Masonでは、西ヨーロッパにおける企業の携帯音声支出はCAGR(年平均成長率)ベースで1%成長するが、その一方で固定音声支出は同マイナス15%になると見込んでいる。

 これは、携帯電話事業者が企業向けの料金を劇的に引き下げたことと無関係ではない。「彼らはこぞって大企業向けの卸売り価格を大幅に引き下げている」と、同リポートを執筆したAnalysys Masonのアソシエート、マーガレット・ホプキンス(Margaret Hopkins)氏は述べている。

 また、携帯電話端末もかなり安くなってきている。そのため、企業がIP電話やVoIPシステムを導入する代わりに携帯端末を採用する可能性も大いにある。

 「企業は、従業員のデスクに新たにIP電話を設置するよりも、すべての通話に携帯電話を使わせたほうが安上がりだと感じ始めている。これに加え、金融危機により現金を節約する動きが強まったため、古い電話システムのサポートを打ち切られた企業がVoIPのPBX(構内交換機)を新たに導入する可能性はいっそう低くなった」(ホプキンス氏)

 ただでさえ音声通話の収益減に苦しんでいる、英国BT(British Telecom)をはじめとする固定回線の通信キャリアにとって、このリポートはまさに暗澹たる予測であろう。

 ただし、ホプキンス氏はTechworld.comの取材に対し、すべての企業が固定音声通信を廃止することにはならないとクギを刺した。「確かに一般的な企業の場合は、従業員のデスクにIP電話を設置するよりも携帯電話を与えたほうが安く済む。だが、それは今どういうネットワークを使っているかなど、諸々の要因で違ってくる。従業員全員が机で仕事をしているなら、あえて携帯にする意味はない」

 Analysys Masonの推計によると、デスクに1台のIP電話を設置するコストはユーザー当たり年間400ポンド(605ドル)だ。このうち250ポンドは年間のランニング・コスト、150ポンドは装置の償却費(購入費やPBXのコストなど)である。

 「VoIPの導入には多額の初期投資が必要になるため、VoIPベンダーにとって景気後退に伴う現金節約の動きは大打撃となるだろう。ただし、ユーザーごとに月ベースで課金するホステッドVoIPについては、料金さえ妥当なら好調に伸びるはずだ、とホプキンス氏は予想する。なお、BTやAffinityなどのISPはすでにホステッドVoIPサービスを提供している。

 また、ホプキンス氏はVoIPから手を引いた大手公益法人の例をこう説明する。「その法人の場合、従業員の固定電話のうち25%を常時携帯電話に転送していたため、年間150万ポンド(227万ドル)節約できると見込んでいた。だが、これでは携帯に割高な通話料を払うなど、さまざまな弊害が生じるうえ、VPNを正しく運用するのも難しくなる。その会社はVoIPへの通話が非常に高くつくことに気づいた」

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