クリアワイヤとスプリントのWiMAX合弁事業、新体制で始動
クリアワイヤ側にWiMAX事業を統合し、全米規模でのサービス展開を目指す米国Clearwireと米国Sprint Nextelは12月1日、米国Intelと米国Googleおよびケーブル事業者3社からの出資を受けて合弁会社を設立するとともに、全米規模のWiMAXネットワークを共同で構築する契約を締結したと発表した。
ただし事実上は、Clearwireと合弁会社によって、SprintのWiMAX通信事業を引き継いで統合するというかたちになるようだ。
ClearwireとSprint両社によると、この合弁会社は、広範にわたるWiMAXサービスの提供によって、これまで通信キャリアが販売してきた従来のモバイル・サービスや有線ブロードバンド・サービスに代わる、新たな選択肢をユーザーに提供することを目標としているという。
Clearwireでは、業界標準に準拠した機器とインターネット・プロトコルに基づくネットワークを利用することで、ほかの携帯キャリアに比べ低価格かつ高品質のインターネット接続環境を提供できるようになるとしている。すでにSprintは今年9月から、非モバイル・ユーザー向けには月額最低料金35ドル、モバイル・ユーザー向けには同45ドルで同様のサービスの提供を開始している。
ClearwireのCEOを務めるベンジャミン・ウォルフ(Benjamin Wolff)氏は、「今年5月にSprintとのWiMAXサービスの事業提携を発表して以来(関連記事)、金融市場は大きく変動してきたが、両社は取引条件に一切の物理的な変更を加えることなく新契約を締結できた」と胸を張った。
ウォルフ氏は、ペリー・サタリー(Perry Satterlee)氏とともに新会社のCEOを務め、サタリー氏はClearwireのCOO(最高執行責任者)を兼任する。SprintでWiMAXサービス「Xohm」事業を率いていたバリー・ウェスト(Barry West)氏がClearwireの主任アーキテクトに就任し、やはりXohm部門の幹部だったアティッシュ・グード(Atish Gude)氏は上級副社長兼CMO(最高マーケティング責任者)となる。
また、新生Clearwireの取締役会には、IntelおよびTrilogy Equity Partnersの幹部が加わるという。
ウォルフ氏は、「新体制になっても、Clearwireはこれまでどおり、ネットワークの構築場所や時期についての判断を独自に下すことができる」と強調している。
シカゴやワシントンD.C.といった地域で展開する予定の商用サービスの開始時期は、新体制となって最初に開かれる取締役会議後に決定されるようだ。Clearwireは、現在46カ所のマーケットで提供している既存の非WiMAXネットワークの大半を、2009年には標準に準拠したモバイルWiMAXへと移行する考えである。
WiMAXネットワーク・サービスは、本来モバイル・ユーザーを対象としたものであるにもかかわらず、現時点では1都市内でしか利用できないという大きな問題を抱えている。そのためClearwireは、頻繁に移動することの多い顧客にとって真に有用なサービスにするため、デュアルモード・デバイスを利用し、同社のブランド名を冠した4Gおよび3Gを組み合わせたサービス「Clear」をSprintのネットワーク上で提供していくという。
ウォルフ氏は、「2009年早々にも、同サービスに関する詳しい情報を発表する」と述べている。
Clearwireは、WiMAX認定製品であればすべてが同社のネットワーク上で動作可能としており、すでに80社以上のデバイス・ベンダーがWiMAX製品を提供もしくは開発していることを明らかにした。同社のサービスに対応したデバイスの中には、Googleの「Android」プラットフォームをベースにしたものが含まれているという。ちなみにGoogleは、同サービスの利用者にコンテンツやアプリケーションを提供するパートナーでもある。
また、Clearwireのパートナーとなるケーブル事業者は、各社がみずからのブランド名で、自社の顧客にWiMAXサービスをバンドル提供していくこととなる。現在、これらのケーブル事業者がサービスを提供している世帯のユーザー数は、合計で約1億人に上るという。
現在、新生Clearwireにとって最優先課題となると目されているのが、料金請求などの機能を担う共通のバックオフィス・インフラストラクチャの構築と、SprintとClearwireのネットワークが共有するインフラストラクチャの整備および技術連携である。
(Stephen Lawson/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)
























