ハーバード大学とBBN、無線センサ・ネットワーク「CitySense」を構築へ
ケンブリッジ市各地の街灯に100台のセンサの設置を計画米国ハーバード大学とBBNテクノロジーズの研究者は4月6日、都市の各地に配置されたセンサが収集するリアルタイム・データを報告できる無線ネットワーク「CitySense」を設計したと発表した。
同ネットワークは当初、都市の気象や大気汚染などの監視に利用されることになっているが、将来的には、公衆無線インターネット・アクセスの改善に応用される可能性があるという。
ハーバード大学とBBNテクノロジーズは2011年までに、米国国立科学財団(NSF)からの補助金を利用して、マサチューセッツ州ケンブリッジ市各地の街灯に100台のセンサを取り付ける計画だ。
各ノードは組み込み型コンピュータ、802.11a/b/g Wi-Fiインタフェース、気象センサ群で構成されると、ハーバード大学工学応用科学部のコンピュータ・サイエンス助教授、マット・ウェルシュ氏は語った。
同システムは、各ノードを街灯に取り付けて電力を確保することで、従来の無線ネットワークのバッテリ駆動時間の制約を解消する。
BBNによると、このアプローチにより、センサをさまざまな新しい用途、例えば、リアルタイム環境監視、局地的な気象と住民の健康の相関分析、生化学物質の拡散の追跡といった長期的な実験研究に利用することが可能になる。
CitySenseの設計作業で最も困難だったのは、リモート・ノードがハーバード大学およびBBNにある中央サーバと通信する方法の開発であったという。これは、各ノードが近隣のノードでメッシュ構造を形成し、マルチホップ・リンクを介してデータをやり取りするというものだ。
各ノードは通信到達距離が1kmに満たない小型無線機器を使って、ソフトウェアをダウンロードしたり、センサ・データを遠方にある中央サーバにアップロードしたりできる、とウェルシュ氏は説明する。すでにハーバード大学構内の2階建ての研究棟で、5つのノードを持つCitySenseネットワークのプロトタイプが運用されているという。
各ノードには、Linux OSが動作し、64MB RAMと1GBフラッシュ・メモリを備える組み込み型のシングルボード・コンピュータをソークリス・エンジニアリング製のマザーボードに組み込んだシステムが利用されている。これは、メトリクス・コミュニケーションがパッケージ化したものだ。
ウェルシュ氏によると、無線センサ・ネットワークは、すでに小規模なものがウィスコンシン州マディソンやイリノイ州シャンペーンなど各地で構築されているが、それらはプライベートな用途や無線インターネット接続の提供のために使われている。
しかし、CitySenseでは、世界中の学術研究者がプロジェクト・サイトにログオンし、ノード上で実行できる自作の研究用プログラムを提出できるという。
「すべてのノードが近隣のノードとやり取りできるため、研究者のプログラムは最終的にすべてのノード上で動作する」(ウェルシュ氏)
一方、CitySenseネットワークのサーバは、データベース情報をオンラインで配信する。
マイクロソフトは5日、同社のVirtual EarthおよびSensorMap技術を利用して、配信されたデータを該当地域の地図と関連付けて提供することを発表している。これにより、研究者は天候や風向きによる大気汚染の拡大を街区ごとに追跡でき、監視精度の向上と監視時間の長期化が可能になる。
現在、研究者がそうしたデータを収集するためには、センサ、バッテリ、GPSトラッカを詰めたバックをかついで歩き回るしかない、とウェルシュ氏は述べている。
CitySenseネットワークでは当初、気温、風速、降水量、気圧、大気質といった環境要素の測定が行われる。同ネットワークでは将来的に、空気中の汚染物質を測定するセンサから騒音を測定するマイクまで、あらゆるタイプのセンサが利用される可能性がある。また、自動車やバスに取り付けられた移動センサが使われるようになる可能性もあるという。



























