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次世代ワイヤレス通信規格の今後の展開を探る

CDMA、GSM、モバイルWiMAX、UMTS TDD……
(2007年09月27日)

今、モバイル業界において話題の中心となっているのが、次世代のモバイル・ブロードバンド規格である「モバイルWiMAX」である。今年後半には、米国と韓国を中心に3Gよりも数倍速いモバイル向けのデータ通信サービスがスタートされる見通しだ。本稿では、モバイルWiMAXを含む次世代ワイヤレス・ブロードバンド技術が、今後どのような展開を遂げるのかを探ってみたい。



デビッド・ハスキン
Computerworld米国版

サービス開始を目前に控える次世代ワイヤレス技術

 ワイヤレス・ブロードバンドの未来を占う水晶玉が、膨大な略語や専門技術に覆われてはっきり見えなくなっている。だが、よく目を凝らして見ると、次の2つのことが浮かび上がってくる。

 まず1つが、われわれは高速なユビキタス・アクセスに向かっており、新たなビジネス/パーソナル・アプリケーションが登場しそうであるということだ。そう遠くない将来、PCで行えることはすべて携帯端末でも行えるようになると専門家らは見ている。

 英国の市場調査会社インフォーマ・テレコムズ・アンド・メディアのアナリスト、マイク・ロバーツ氏は、「未来のモバイル・アプリケーションはインターネットを介して提供されるだろう。モバイル通信がさらに高速化することで、さまざまなWebアプリケーションを利用できるようになる」と予測する。

 2つ目は、その未来はまもなくやって来るということだ。専門家によると、今年の後半に米国と韓国をはじめとするいくつかの国々で第3世代(3G)よりも数倍速い新しいモバイルのデータ通信サービスが開始され、今後2、3年以内には、北京やボストンなどの大都市で超高速なワイヤレス・ブロードバンドを利用できるようになるという。

 次世代のモバイル・ブロードバンドはOFDMA(直交周波数分割多重アクセス)と呼ばれる技術がベースとなる見込みだ。OFDMAは、最近一般化してきた固定WiMAXネットワークで採用されているOFDN(直交周波数分割多元)よりも効率的な無線変調方式である。

 OFDMAを採用した次世代通信規格の代表格がモバイルWiMAXである。現在、韓国ではこの先進技術を使用する小規模ネットワークの敷設が進められている(厳密には「WiBro」と呼ばれるモバイルWiMAXの派生版)。また、米国でも今年後半にはスプリント・ネクステルが進めている世界最大級のモバイルWiMAXネットワークの敷設が完了する見込みだ。スプリントによると、同ネットワークのダウンロード速度は2M〜4Mbpsであり、ユーザーのコストは同社のセルラー・ネットワーク「Evolution-Data Optimized(EV-DO)」よりも低額になるという。

 ソウルやシカゴ、ワシントンでも年内にWiMAXサービスが提供開始される予定となっており、スプリントでは2008年末までに米国の約1億人のモバイル・ユーザーにWiMAXサービスを提供できるようにするとしている。

 モバイルWiMAX以降、3Gからその先にある次世代ネットワークへの移行は複雑になる見込みである。移行パスはキャリアや国、そして電波スペクトルの可用性といったさまざまな条件によって大きく異なるからだ。だが、どのようなパスを通るにしろ、最終的にはOFDMAに終着するという点で専門家の意見は一致している。以下では、そこに至るまでの道のりを見ていくことにする。

CDMA
Code Division Multiple Access

 現在、CDMA(符号分割多重アクセス)搬送波の最先端技術とされるのが「EV-DO Revision A」だ。これは第1世代のEV-DOとダウンロード速度はほぼ同じだが、アップロード速度はEV-DOよりも格段に高速である。すでにEV-DOの敷設を完了した大半のキャリアは、Rev Aへのシステム・アップグレードを進めている。CDMA方式を採用するキャリアは世界中に存在するが、最も多いのは米国、ラテン・アメリカ諸国、アジアの一部である。

 その次のアップグレードは「EV-DO Revision B」となる見込みだ。その場合、最高速度は理論上、下り73Mbps、上り27Mbpsとなる。ロバーツ氏によると、Rev Bは技術的にすでに利用可能だが、キャリアがアップグレードを見送ることも考えられるという。

 「Rev Bを開発したクアルコムによると、同技術はすぐにでも使えるらしいが、キャリアが敷設したという話はまだ聞いていない」とロバーツ氏は語る。というのも、現在キャリアはRev Aにアップグレードするのに忙しく、Rev Bは、以前Rev Cと呼ばれていたUMB(Ultra Mobile Broadband)という次のメジャー・アップグレードまでの単なる橋渡しにすぎないと見なされているからだ。このため、多くのキャリアがRev Bへのアップグレードを見送り、理論上最大288Mbpsの高速通信を実現するというUMBへのアップグレードを控えていると見られる。

 ただし、UMBでは理論上の最高速度を得られることはまずない。実際のスピードは、そのネットワークを使っているユーザー数や各ユーザーと基地局の距離などの多くの要因によって左右されるため、通常は理論上の4分の1以下の速度になると想定される。

 「MIMO(Multiple Input Multiple Output)の空間多重伝送技術を採用するUMBは、OFDMAへの移行という非常に野心的な取り組みと言える(図1)。本格展開されるのは2009年から2015年になるだろう。問題はタイミングであり、もしかしたらRev Bを最大限活用する形になるかもしれない。UMBへの移行に関してはまだ議論の余地がある」(ロバーツ氏)

 UMBへの移行はキャリアにとってハードルが高い。その理由として、UMBはOFDMA技術をベースとしているため、EV-DOの各バージョンとの下位互換性がないことが挙げられる。また、従来の通信方式ともまったく異なるため、キャリアやモバイル・ネットワーク・プロバイダーの投資額が従来と比べてかなり莫大になることも想定され、採算が取れるかどうかわからないといったこともネックになると考えられる。

図1:MIMOの無線アンテナ技術

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