モジラ、AndroidやiOS対抗の「B2G」モバイルOSプロジェクトを発表
Androidハードウェア互換のスマートフォン/タブレット向けOSを開発へ
米国Mozillaは、オープンソースのスマートフォン/タブレットOSを開発し、米国Googleの「Android」、米国Appleの「iOS」、米国Microsoftの「Windows Phone OS」の三つどもえの構図が鮮明となっているモバイルOS市場に食い込もうする野心的な計画を発表した。
「Boot to Gecko(B2G)」と銘打たれたMozillaの新OSプロジェクトでは、Mozillaのブラウザ「Firefox」や電子メール・クライアント「Thunderbird」が採用するHTMLレンダリング・エンジン「Gecko」を軸とし、Androidの低レベル・コードの一部を再利用することで、Android対応ハードウェアで動作する完全にオープンソースのOSが開発される。
B2Gプロジェクトはまだスタートしたばかりだが、B2GプロジェクトのWikiページでは、ユニークかつ複雑なこのOSの概要が説明されている。
それによると、B2Gプロジェクトは「単一ベンダーのソフトウェア/ハードウェア・スタック」ではなく、オープンなWeb標準をベースとして開発が行われる。未成熟な面もあるWeb標準をベースとするのはリスキーだが、Mozillaが掲げるオープンなWebのビジョンに合致している。
開発チームでは、B2Gを成功させるためには4つの分野での取り組みが必要だとしている。Androidハードウェア・レイヤと、電話やストレージ、カメラ、ネットワーク通信などとのインタフェースとのソフトウェアを連携させる、新しいAPIの開発もその1つだ。また、開発チームは、プロジェクトをオープンに進めるため、開発されたすべてのソースコードをリアルタイムに公開していくことも明らかにしている。
「このプロジェクトは初期段階にある。まだわれわれの頭の中にしかない要素もあるし、十分に検討されていない要素もある。そのような段階で、我々がこのプロジェクトを公表したのは、Mozillaプロジェクトに携わるすべての人々、そしてそれ以外の人々の専門知識と経験を求めているからだ」(開発チームの声明より)
オープンソース・プロジェクトの常として、B2Gの今後の具体的な開発方針は、貢献者(プロジェクト参加者)の陣容によってある程度左右される。だが、どのような結果を生もうとも、B2GプロジェクトはAndroidの開発モデルに対する強力なアンチテーゼになりそうだ。Android開発プロジェクトにおいては、ソースコードはGoogleの都合に合わせて公開されるため、アプリ開発者の中には「異なるOSバージョン間で、開発するアプリの整合性がとれない」と不満を抱く者もいる。
Mozillaのプロジェクト・リーダー、アンドレアス・ガル(Andreas Gal)氏は、「我々はBoot to Geckoプロジェクトを、我々が考えるオープンソース・プロジェクトのあるべきやり方で進めていく。最初から、誰でもコードを見て、開発に参加できるようにする」と述べている。
B2Gが開発する新しいモバイルOSは、既存のプロプライエタリ・モバイルOSの代替製品となるだけでなく、これらのOSと一線を画したアプローチも提示する。それはWebアプリケーションの利用を中心に据えたアプローチだ。この点で、B2G OSは「Google Chrome OS」と似ている。どちらも、未来のOSは、Webアプリケーションを利用するための基盤を担うのが主な役割であるという設計思想に基づいている。
B2Gは多くの関心を集めるだろうが、課題も多く残っている。GitHubのプロジェクト・リポジトリでリアルタイムにソースコードが公開され、開発の行方が注視されていくことになる。
(John E Dunn/Techworld.com)



























