主要IT企業の株価が軒並み下落――1930年以来、最悪の6月に
投資家たちは7月末の第2四半期決算に期待米国の株式市場では、AppleやGoogle、Amazon.comなどこれまで好調を維持してきたIT関連企業が6月に入って軒並み株価を下げており、景気後退懸念の高まりと相まって投資家の間で不透明感が増している。
IT関連企業が多く上場しているNasdaqの6月30日の株価総合指数は2292で、今年1月の取引初日に記録した2609から大幅にダウンした。IT関連企業の今年の業績は事前予測よりもおおむね好調であり、なかには売上高と利益の両面で過去最高を記録した企業もあった。しかし、エネルギー価格の高騰や消費支出の減少、クレジット市場に対する懸念が強まっており、IT業界の投資家たちは不安を募らせている。
今年1月には、景気後退への不安が米国で広がったことを背景にNasdaqの株価が急落した。その後、AppleやGoogle、AT&T、IBMなどが相次いで好調な第1四半期決算を発表したことから、ベンダー各社の株価は3月を底に上昇へ転じると思われていた。
しかし、原油価格の高騰に歯止めがかからないうえにインフレ懸念も強まったことで、投資家たちの期待は裏切られた。これらの懸念は過去数週間でいっそう強まり、株式市場にとっては1930年以来、最悪の6月となった。
昨年、配当と株価の両面ですぐれた業績を残して株式市場の牽引役となっていた企業の銘柄は、今年上半期には大半が値下がり傾向となっている。
米国の資産運用会社Sanford C. Bernsteinによると、昨年におけるApple、Google、Amazon.com、Research In Motion(RIM)の4社の株価上昇率は、Nasdaq市場全体の株価指数上昇に大きく影響を与えていたという。しかし今年は、IT関連株の牽引役となっていたこれら4社のうち、株価が上昇しているのはRIMだけである(RIMの6月30日の終値は116.90ドルで、今年1月の取引初日に比べて3.19ドル上昇)。
それ以外の企業は、Appleが27.40ドル安の167.44ドル、Googleが158.77ドル安の526.42ドル、Amazon.comが22.92ドル安の73.33ドルとなっている。
しかし、IT関連企業の力強さを示すニュースが毎週のように報道されていることも事実だ。今週には、半導体の業界団体SIA(Semiconductor Industry Associaton)が世界半導体市場における5月のIC売上高が7.5%伸びたと発表し、景気後退で半導体市場にもブレーキがかかるのではないかという事前の悲観的な予測を打ち破った。
また、注目分野の研究開発に流れ込む資金も増えている。調査会社451Groupによると、今年第2四半期にオープンソース分野へ投じられたベンチャー・キャピタルの資金は、前年同期に比べて14%増加し、1億1,550万ドルになったという。
IT業界では、こうした明るいニュースに勇気づけられる企業も少なくないだろう。なぜなら、テレコムを除くIT関連の株価は、昨年全体で5.2%下がっているからだ。またテレコム関連の株価も、固定回線の収益低下やモバイル市場の競争激化などを背景に、昨年は22.5%の大幅ダウンを記録している。ちなみに、米国の主要企業500社で構成される株価指数S&P 500は、昨年14.5%下落した。
7月末になれば、各社から第2四半期決算が発表される。投資家たちは、第2四半期の結果を見て、マクロ経済に対する懸念が現実のものとなるかどうかを見極めようとするはずである。
(Marc Ferranti/IDG News Serviceニューヨーク支局)



























