苦境に立つチップ・ベンダー、エヌビディアとテキサス・インスツルメンツの株価が低迷
需要回復の遅れが株価に影響か米国IDCは今週、ノートPCの販売実績が好調であるとして、PC市場の成長に楽観的な予測を発表した(関連記事)。しかし、携帯電話とチップ分野は、厳しい状況が続いている。今週、米国Nvidiaと米国Texas Instrumentsの株価は低迷した。企業のIT管理者は、IT支出に慎重な姿勢を崩していない。
9月11日のNvidiaの株価は、3年来の安値をとなった。米国の投資銀行Lehman Brothersは同日、Nvidia株の株価目標を15ドルから12ドルへと引き下げた。これは他の投資銀行に追随しての評価引き下げである。
グラフィックス・チップ分野で米国AMDの攻勢にさらされているNvidia。同社の2008年第2四半期の売上高は8億9,200万ドルで、前年同期の9億3,500万ドルから減少した。Lehman Brothersは、「Nvidia経営陣から直接話を聞いたかぎりでは、(売上高が)2007年の水準に戻るのには、予想より長くかかるかもしれない」とコメントしている。
チップ市場を取り巻く環境は、世界的に不透明となっている。米国Citigroupの半導体市場担当チームは9月9日、「PCサプライチェーンに見られる兆候は、プラスとマイナスが入り交じっているが、あらゆるデータを考慮すると、プラスよりもマイナスに傾いている」との見解を発表した。
「新学期での(PC)買い換え需要が低迷していることや、ハンドセット市場が冷え込んでいる影響から、専用チップ・セクタの景気は芳しくない」(Citigroup)
またCitigroupは9月8日、スマートフォンの販売状況に関する報告書を発表した。それによると、2008年第2四半期の販売台数は3,220万台で、前年同期比16%増となった。しかし同成長率は、過去数年の成長率と比べて大幅にダウンしている。例えば2007年第2四半期の成長率は、前年同期比55%増だった。
一方、Texas Instrumentsは今四半期の売上高予測を、上限35億4,000万ドルから上限34億7,000万ドルに下方修正した。
同社で投資部門広報担当を務めるロン・スレイメイカー(Ron Slaymaker)氏は下方修正した理由について、「ワイヤレスの見通しを“控えめ”にした」とコメントした。なお9月9日における同社の株価は、22ドル38セントから21ドル71セント(終値)に下落したが、その後数日で(少しずつ)持ち直している。
企業のIT投資は、相変わらず低迷したままだ。調査会社の米国Forrester Researchが9月9日に発表した調査結果では、北米(米国/カナダ)と欧州に拠点を置く大規模企業の約半数が、「米国の景気低迷がIT投資(支出)に影響を与えている」と回答している。Forresterが上級IT管理者約950人を対象に行った同調査によると、約43%の企業が2008年の総IT予算を削減していると回答したという。
とはいえ、今週は暗いニュース一色だったわけではない。前述のとおりIDCは今週、2008年以降におけるPCの出荷台数予測を上方修正した。それによると2008年における世界のPC出荷台数は、前年比15.7%増の3億1,100万台に達する見通しだという。
(Marc Ferranti/IDG News Serviceニューヨーク支局)



























