SAPのCEOが交代――同社会長は「本人の要望」と円満交代を強調
今後は2名の共同CEO体制にドイツSAPは2月8日、同社のCEOレオ・アポテカー(Leo Apotheker)氏とCEOを務める契約を更新しなかったことを明らかにし、後任として2人の共同CEOを任命したと発表した。後任の共同CEOは、フィールド部門責任者のビル・マクダーモット(Bill McDermott)氏と、製品開発を統括のジム・ハーゲマン・スナーベ(Jim Hagemann Snabe)氏。
同社の共同創業者で会長のハッソ・プラットナー(Hasso Plattner)氏は同日の電話会見で、「CEO交代を機に、顧客との関係再構築を進めるとともに、社内でイノベーションを活発化させることを目指す」と語った。
アポテカー氏の去就をめぐっては、何カ月も前から取りざたされていた。ここ数年の同氏のCEO在任中に、SAPではさまざまな問題を抱えたからだ。
まず、SAPは多くの企業と同様に、景気低迷で打撃を受けている。売上高は2008年度の115億ユーロ(157億ドル)から2009年度には106億ドルに減少した。さらに、同社が2008年に実施した保守料の引き上げは顧客の反発を買った。
技術面でも、SAPはクラウド・コンピューティングやSaaS(Software-as-a-Service)といったIT業界の新たな動きに乗り遅れている。プラットナー氏は8日の会見で、従業員の不満がくすぶっていることも示唆し、「(今後は)顧客からの信頼を取り戻し、SAPを良い会社にするために全力を尽くす」と明言した。
プラットナー氏は、SAPがここ数年に抱えた問題の中で最も深刻化したものの1つを真っ向から取り上げた。それは同社が2008年、内容的に充実しているが高価な「SAP Enterprise Support」に顧客を移行させる方針を決めたことに伴う問題だ。
この方針は世界中のユーザーを怒らせた。特に、長年にわたって安定稼働しているSAPシステムを利用しており、サポートの拡充をほとんど必要としていない(あるいは望んでいない)ユーザーの怒りが強かった。
この問題についてプラットナー氏は、「私も(保守料の値上げが必要だという判断を)支持した。これはレオの責任ではない」としたうえで、以下のように語った。
「(保守料の値上げは)会社としての判断だった。われわれは間違いを犯したのだから、ここで方向を転換しなくてはならない。そして、われわれが憤慨させてしまった顧客からの信頼を取り戻さなければならない」
プラットナー氏は、アポテカー氏の契約が更新されなかった理由は説明しなかったが、契約更新しなかったのは、アポテカー氏の考えによるものだったこと認めた。同氏の考えを受け、取締役会での承認により、契約を更新しないことが決まったという。
またプラットナー氏は、「アポテカー氏は解雇されたわけではない。同氏の退任は、SAPの中堅企業向けERPスイート『Business ByDesign』の不振によるものではない」と、あくまで円満な交代であることを強調した。
SAPはソフトウェアのリリースを減らし、採算性の確保に取り組んでいるが、2010年中に幅広いソフトウェアがリリースされる見込みだ。
「レオはこうした経営立て直しに非常に貢献していた人物だった」(プラットナー氏)



























