クラウド間アプリケーション・ポータビリティの現状|Interop Channel|トピックス|Computerworld

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【Interop Las Vegasレポート】

クラウド間アプリケーション・ポータビリティの現状

ワークロード移動にはネットワーク面での問題解決が不可欠
(2010年05月20日)

 クラウド・コンピューティングのネットワークは、互いに大きな“障壁”によって断絶している。そのため現状では、ワークロードをあるクラウド・サービスから別のクラウド・サービスへ、あるいは社内データセンターからクラウド・プロバイダーへと移動させることは困難だ。

 4月28日、「Interop Las Vegas 2010」のパネル・ディスカッションに登場したパネリストたちも、そのような現状を語った。ただし、標準化と共通フォーマットの策定作業が進行しており、最終的には何らかのポータビリティが実現するはずだという。


Terremarkのランディ・ローランド(Randy Rowland)氏(左)と、Citrix Systemsのサイモン・クロスビー(Simon Crosby)氏

 「おそらく、今年中にその時は来るだろう。ワークロードを簡単に社内から外部のクラウドへと移動できるソフトウェア製品が現れる」と、米国Terremarkの製品開発担当副社長であるランディ・ローランド(Randy Rowland)氏は言う。「顧客は状況変化に応じて、(外部の)クラウド基盤に移動したワークロードを、自社のデータセンターに戻すことができるという保証を望んでいる」(ローランド氏)。

 ローランド氏は、「企業は(特定クラウド・ベンダーへの)ロックインを恐れている」と語る。「残念なことに、そのためにはネットワークに関する幾つかの問題を解決する必要がある。例えば、IPアドレスを簡単に変更する方法などだ」(同氏)。

 一方で、米国Citrix SystemsのCTO(最高技術責任者)であるサイモン・クロスビー(Simon Crosby)氏は、「ポータビリティ周りの問題は解決されるだろう」と述べる。「ベンダーは、この問題に取り組まなければならないということを理解している」(同氏)。

 「利用者の多いAmazon EC2サービスでは、Amazon独自のプロプライエタリな仮想マシン・イメージが使われている。これでは企業ネットワークとの連携は難しい」と、Bitcurrentの創設者アリステア・クロール(Allistair Croll)氏は述べる。


Bitcurrentのアリステア・クロール(Allistair Croll)氏

 だがクロスビー氏は、「Open Virtualization Format(OVF)」のような仮想マシン・イメージのオープン規格が利用され始めていることを指摘する。「ワークロードをハイパーバイザと独立させれば、複数の仮想化プラットフォーム間で相互運用が可能になる」(同氏)。

 クロスビー氏によれば、仮想化により、サーバ・ベースのワークロードについてはポータビリティが強化されてきた。だが、初期のIaaS(Infrastructure-as-a-Service)クラウドは、ネットワーク周りに弱点がある。ワークロードのポータビリティを高めるためには、ネットワーク・リソースを抽象化する新たな手法が必要だ。

大容量のアプリケーション・データ移動も課題

 別の基調講演を行った米国IBMのCTOであるクリストフ・クルークナー(Kristof Kloechner)氏は、インタビューのなかで、「社内データセンターとクラウドとの間でワークロードを移動させること自体は簡単だ。だが問題は、アプリケーションを実行するために膨大な容量のアプリケーション・データもクラウドに移動しなければならないということだ」と語っている。


IBMのクリストフ・クルークナー(Kristof Kloechner)氏

 異なるクラウド・ネットワーク間でアプリケーションを移動させるようなデモは、これまで何度も行われてきた。だがクルークナー氏は、「アプリケーションに付随する大量のデータ移動まで行わなければ、そうしたデモには大して意味がない」と指摘した。

 クルークナー氏は基調講演のなかで、「クラウドは、将来的には互いに統合されるだろう」と語った。「クラウドはオープン性を維持すべきだ。それが、我々の計画の大部分を占める。現在クラウドで起きていることが、ITベースのサービスを展開する方法に、より柔軟性をもたらす根本的な変化であると信じている」

 クロール氏は、「将来的に、アプリケーションは3つのカテゴリに分類されることになるだろう」と予想している。1つ目は、企業データセンター内だけで実行されるもの。もう1つは、企業内クラウドで実行されるが、経済的な理由があれば外部クラウド・サービスでも実行されるもの。そして最後のカテゴリは、(おそらくは外部パートナーとアプリケーションを共有する必要があるために)常に外部クラウド・サービスを基盤として実行されるものだ。

 既存のアプリケーションを、外部クラウド・サービス上に移行すべきかどうかの判断は簡単ではない。Interopのパネルディスカッションに登壇した何人かのパネリストは、顧客は新しいアプリケーションをクラウドで実行させたいと考えているものの、既存のアプリケーションの移動については効果や費用に価値があるかどうか不安に思っていると語っている。

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