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グーグル、「ホワイト・スペース」開放案をFCCに提出――ワイヤレス市場で次の一手

「低コストのモバイル・ブロードバンド環境を米国市民に提供する」
(2008年03月25日)

 米国Googleは3月24日、未使用のテレビ周波数帯(ホワイト・スペース周波数帯)について、次世代ワイヤレス機器向けに開放するよう求める提案を米国連邦通信委員会(FCC)に提出したことを明らかにした。

 Googleや米国Microsoft、米国Dellなどのハイテク企業は、ホワイト・スペース周波数帯を次世代ワイヤレス機器で利用する許可をFCCに求めている。しかし、ホワイト・スペースの使用を巡っては、電波干渉を懸念する米国のテレビ局および無線マイクのユーザーやベンダー側と対立してきた経緯がある。Googleは3月21日にFCCへ書類を提出し、電波干渉を防ぐために、テレビ用の36〜38チャンネルをホワイト・スペースに割り当てることを提案したという。

 ホワイト・スペースの開放をFCCに求めている企業は、高速無線インターネット機器という新市場にビジネス・チャンスを見いだしている。ワシントンDCでGoogleの通信・メディア部門の法廷弁護士を務めるリチャード・ホイット(Richard Whitt)氏は、この新市場で利用される無線技術を「WiFi on steroids」と呼んでいる。

 Googleは、「ホワイト・スペースは、ユビキタスな高速無線インターネット・アクセスをすべての米国市民に提供できる千載一遇の機会だ」と主張した。さらにGoogleは、同周波数帯について、「インフラが整っていない農村地域のニーズを満たすだけでなく、緊急救助隊をはじめとする公安機関にとっても堅固なインフラとなるだろう」とFCCに説明した。

 Whitt氏によると、Googleの提案は、FCCのホワイト・スペースを巡る協議をより建設的に進めることがねらいだという。同氏は、あらゆる手段を講じてでも既存システムを守ろうとする団体が、(ロビー活動を通して)政治に影響力を及ぼそうとしていると批判した。「未来の可能性よりも過去の遺産を選択する人々がいるのは遺憾だ」(Whitt氏)

 さらにGoogleは、「ジオ・ロケーション」および「ビーコン」という2つの周波数帯検出技術の使用を、FCCは義務づけるべきだと提言した。電波干渉を防ぐために、ホワイト・スペース向け機器には低コストのビーコン技術の追加が必要になるという。この点については、2007年末に米国Motorolaが提案した内容と同じである。

 米国のテレビ局団体National Association of Broadcasters(NAB)は、ホワイト・スペース向け機器を利用した際のテレビ電波への影響を懸念している。米国の連邦議会では、2009年2月までにすべてのテレビ放送をデジタル放送へと移行することが決定しており、ホワイト・スペースの認可よりもデジタル放送の移行にFCCは集中すべきだと、NABは主張している。なお、デジタル放送への移行に伴い、空いた700MHz無線周波数帯の競売が先週行われ、落札者は米国Verison Wirelessに決定した(関連記事)。

 Googleの今回の提案は、ホワイト・スペース周波数帯のうち、36〜38チャンネルまでを無線マイク専用に割り当てることで他の機器からの干渉を防ぎ、いわゆる「セーフ・ハーバー(避難港)」を作るというねらいがある。セーフ・ハーバーを作れば、チャンネル37を利用している医療用遠隔測定装置や電波天文事業なども保護できるとしている。

 Googleは、ホワイト・スペースの開放と、自らが開発するオープンソースの携帯電話プラットフォーム「Android」を組み合わせれば、すべての米国市民に低コストのモバイル・ブロードバンド・ネットワークを提供できると主張している。また同社は、ホワイト・スペースを利用した新サービスの導入を検討しているサードパーティに、技術サポートを無料で提供する方針だという。

 現在、FCCは、ホワイト・スペース向け機器のプロトタイプ4種類をテスト中だが、FCCが昨年行ったテストではデバイスが動作不能の事態に陥ったという。ホワイト・スペースの利用促進を目指す業界団体White Spaces Coalitionによると、今年2月に行われたテストでもデバイスの電源が落ちてしまったものの、テレビ電波への干渉は起こらなかったという。

 これに対しNABは今年2月、ホワイト・スペース向け機器はまだ準備が整っていないと発言した。

(Grant Gross/IDG News Serviceワシントン支局)

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